2014年10月27日、アメリカの大手自動車部品メーカー、TRWオートモーティブは第3世代のコラム式電動パワーステアリング(EPS CD)を、ヨーロッパ、中国の2つの主要プラットフォーム向けに提供開始したと発表した。
TRWの第3世代EPS CDは、ヨーロッパではフォルクスワーゲンのポロ、up!、e-up!、アウディS1、シュコダのラピッド、スペースバック、ファビア、シティーゴー、フィアット500L、中国ではGACフィアットのビアッジオに採用される。これらのプラットフォーム向けの年間生産量は100万ユニットを超える予定だという。
TRWの第3世代EPS CDは、モジュール式の拡張性に優れた設計を採用しており、パッケージングやデザインの自由度が高く、幅広いアプリケーションに対応できる。
TRWのステアリングシステムのエンジニアリング担当副社長、ダーク・ケッセルグルーバー氏は、「グローバルプラットフォーム向けにモジュール化技術を導入したいという自動車メーカーが増えているので、TRWではこうしたニーズに応えるために第3世代のEPS CDを開発しました。モジュール化により、大規模なデザイン変更をすることなく、モーター、ECU、その他の主要構成部品に対応することができます。さらに、市場投入までの期間を短縮し、構成部品の再利用ができるというメリットも提供しています」
さらに「モジュール設計によって、様々な地域で求められる要件に合わせて製品をカスタマイズし、世界中の顧客の多様なニーズに応えることができるのです。加えて、TRWの最新型EPS CDは、コスト面と環境面において明確なメリットを提供できます。従来の油圧式システムと比較した場合、100km当たり0.3~0.4Lの燃費節減、CO2排出量では1km当たり約7~8gの削減が可能となります」
TRWは2種類の電動パワーステアリング(EPS)システムを提供している。1つはステアリングコラムに搭載するコラム式電動パワーステアリング、もう1つはベルトドライブとボールナットのメカニズムによりラックギヤに直接パワーアシストするベルトドライブ式電動パワーステアリングだ。TRWは2001年にEPSシステムの生産を開始し、世界全体におけるこれまでの生産台数は2600万ユニットを超えている。