ZF TRW  ZF社がTRW社を買収・合併 世界最大級の自動車部品サプライヤーが誕生

ZF TRW 買収

2014年9月15日、ドイツの自動車部品サプライヤーZFフリードリヒスハーフェン社は、アメリカ資本の自動車部品サプライヤーのTRWオートモーティブ社の株式を買収することに合意したと発表した。

ZF社は2014年7月にTRW社に買収を提案し、このほど合意に至ったが、ZF社がTRW社に支払う買収額は約1兆3000億円で、現金で支払われるという。正式な合併は2015年になる見込みだが、ボッシュ社、コンティネンタル社、デンソーに比肩する世界有数の自動車部品サプライヤーが誕生することになる。なお、TRW社が持つエンジンバルブ製造や樹脂パーツ用ファースナー事業などは他社に売却される予定。

ZF TRW 買収
ドイツの小都市フリードリヒスハーフェンにあるZF本社

ドイツ南部のフリードリッヒスハーフェンに本社を置くZF社は、1915年の創立時、航空機用ギヤの製造から始まり、トランスミッション、駆動系、サスペンションの分野で著名なサプライヤーとなり、現在はザックス社などダンパーメーカーなども傘下に収めるグローバル・サプライヤーだ。

一方のTRWオートモーティブ社は、アメリカ・ミシガン州に本拠を置くグローバル規模の自動車部品サプライヤー。同社は1904年に自動車部品の製造に端を発し、フォードT型のホイール製造などで成長を遂げた。第2次世界大戦後は宇宙・航空、防衛産業なども幅広い分野の事業を持つコングロマリットとなったが、2003年に自動車部品サプライヤーとして再出発し、アメリカだけではなくヨーロッパ市場でも大きなシェアを持っている。

企業の特徴は、ZF社は高性能なプレミアムカー向けの製品が多く、TRW社はフォードを筆頭とする量産車マーケットでのシェアが高い特徴がある。また、TRW社はブレーキ、エアバッグ、シートベルトなど安全関連システムからレーダーやカメラを使用したドライバー支援システムなどの分野でシェアが高いため、両社の事業分野は相互補完を期待できるわけだ。

ZF TRW 買収 企業比較
ZF社とTRW社の特徴

両社を合わせると従業員数は約13万8000人となり、年間売り上げ高は300億ユーロ(4.2兆円)という巨大な自動車部品サプライヤーとなり、アメリカと中国、アジアでの事業が一層強化される。

ZF TRW 買収
合併後の世界市場での売り上げ比率の予想

ZF社のステファン・ゾンマーCEOは、「TRWの買収は、我々の長期戦略に合致しています。確固としたテクノロジーと製品により当社のポートフォリオをより大きくすることできるのです。我々はTRWの従業員を迎え入れることを楽しみにしています」と語っている。

 

ZFフリードリヒスハーフェン公式サイト
TRWオートモーティブ公式サイト

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