ZF 東京モーターショー 先進機能を満載した半自動運転EVコンセプトカー「AUV」を出展

都市型の電気自動車「アドバンスト・アーバン・ビークル(AUV)」。大切れ角のステアリング、リモード駐車、半自動運転の技術を満載
都市型の電気自動車「アドバンスト・アーバン・ビークル(AUV)」。大切れ角のステアリング、リモード駐車を始め、半自動運転の技術を満載したコンセプトカー

2015年10月22日、ZFフリードリヒスハーフェン社は、10月29日に始まる第44回東京モーターショー2015に半自動運転EVコンセプトカー「AUV」を出展し、未来のモビリティ・トレンドを示す展示を行なうと発表した。

ZFグループの技術コンセプトを集約したのが当サイト既報のアドバンスト・アーバン・ビークル(AUV)だ。AUVは半自動運転が可能な電気自動車で、クラウド接続が可能なシティーカーとされ、最新の技術を盛り込んでいる。

大都市、市街地の多い日本において、AUVは都市型の交通手段が抱える課題にも最適なソリューションとされる。TRW社の買収により一層広範囲な技術と製品ラインアップが実現したZFグループが、より高い利便性とメリットを提供できる体制となった事を具体的に示すコンセプトカーだ。

ZFとTRWがカバーする製品分野
ZFとTRWがカバーする製品分野

AUVは、コンパクトカーによる都市型のパーソナル交通手段のソリューションと位置付けられる。このコンセプトカーには、電動リヤアクスルドライブやeTB(エレクトリック・ツイストビーム)、最大切れ角75度という革新的フロント・アクスル、2種類の運転支援機能が搭載されている。

大きなステアリング切り角とリヤアクスルのトルクベクタリングにより、回転半径は3.25m未満となり、2車線道路でのUターンも容易だ。AUVに搭載されている2種類の運転支援機能のひとつが、限られた駐車スペースにも適切に車体を誘導するスマート・パーキングアシストだ。このシステムでは、スマートフォンやスマートウォッチといったモバイル機器をリモコンとして使用することで車外からのクルマの操作が可能だ。

もうひとつの機能がクラウド接続型の運転支援機能「PreVision Cloud Assist(プレビジョン・クラウド・アシスト)」だ。この機能により、走行中にトルクを自動的に適切なタイミングで下げることができるため、メカニカルなブレーキを使わずに減速できる。ドライバーは、ステアリングホイールに搭載されたハンズオン検出機能とディスプレイによって、運転をモニターすることができる。

電気自動車であるAUVは、ゼロエミッションの観点からも日本の自動車市場で高い関心を集めるはずだ。

多くの機能を搭載したこのコンセプトカーに集約された個々のシステムは、将来の自動車に応用できる。ZFとTRWの専門技術を生かし、さらに拡大された製品ポートフォリオによって生まれる新しい製品が間もなく発表される。

そのトップバッターがハイブリッド車向けの回生ブレーキ、つまりブレーキ動作による発電機能だ。ZFは電動モーターから機械式ブレーキへの切り替えをスムーズに行なう「協調ブレーキ(brake blending)」も供給する。詳細はこちら

AUVは予測型環境センサーを採用しており、効率性、安全性を高めている。このセンサーは環境データの記録と保存も可能。ステアリング、ブレーキ、アクティブキネマティックコントロール(AKC)、カメラ、レーダーからの情報を統合させることで、ドライビングダイナミクスの限界を拡げ、クルマの安全性を更に高めることができる。

ステアリングとブレーキ、そしてアクティブシャシーシステム、さらにカメラ付レーダー・システムの組み合わせにより、ステアリングとブレーキを的確に自動的に介入させることで、車体の横滑りを防止し安定した走行ができるようになっている。さらに、ステアリングとアクティブ制御のCDC(連続可変減衰力コントロールシステム)、そしてカメラの撮像を連動させることで予測型ダンピングが実現し、さらに高いレベルの安定性を確保することができるという。

2014年の自動車生産台数が1000万台の日本は、ZFグループにとって世界でも最重要市場のひとつと位置付けられている。日本の自動車メーカーはヨーロッパや米国など、海外にも多くの生産拠点を展開しており、ZFはこうした日本企業の海外拠点に製品を供給している。

またZFグループは2016年初めから新たにEモビリティ事業部をスタートさせ、Eモビリティに関する活動をドイツ、シュバインフルトの拠点に集約することも発表している。

 

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