【ZF】BMWに搭載された8速ATなどZF社の最新技術の概要

このほど発売されたBMW新型5シリーズ・グランツーリスモに、ZF社製の新型8速オートマチック・トランスミッショを採用した。BMWでの採用は760iに次いで2番目の8速AT搭載車となった。BMWは今後さらにZF社の8速ATを搭載する車種を順次拡大して行くとしている。

8速ATはBMW5シリーズ・グランツーリスモに搭載

ZF社が開発した最新の軽量・コンパクトな8速ATトランスミッションは、優れた変速クオリティによる快適性、スポーティな走り、そして経済性を高次元でバランスさせている。また、この8速AT以外にCDCセミアクティブ(減衰力連続可変制御)ダンパー・システム、ARS(アクティブ・ロール挙動安定化)システム、アクティブ・ステアリングシステムなども組み合わせて採用し、5シリーズ・グランツーリスモはドライビングの心地よさ、安全性、そして運動能力を大きく向上させている。

新世代の8速ATはまったく新しいトランスミッション設計を採用することで、ショックのない滑らかな変速品質と、人間の感覚が追いつかないほどクイックな変速を両立させているのが大きな特徴だ。

これとBMWのパワフルな6気筒、8気筒エンジンとの組み合わせにより、理想的ともいえる高次元の走りをもたらす。もちろん優れた走りだけではなく、超ワイドな変速比幅を備えているので従来の第2世代の6速ATに比べて6%もの燃費向上を達成しているのだ。

BMW 5シリーズ・グランツーリスモに搭載された「ダイナミック・ダンピング・コントロール」の中核技術は、ZFグループ内のZFザックス社の先進的な可変ダンパー・システム、「CDC」である。CDC=減衰力連続可変制御ダンパーはARS=アクティブ・ロール挙動安定化システムと連動して作動するようになっている。

減衰力連続可変制御ダンパーはARS=アクティブ・ロール挙動安定化システムと連動する

既にBMW 7シリーズに採用されているCDCは、1本のダンパーに2個のプロポーショナル・バルブ(比例制御弁:オイルの流れや圧力を連続的に変化させられる弁機構)を組み込んだ構造を持ち、そのバルブがサスペンションの伸縮に合わせ、各輪のダンパーを個別に制御し、滑らかに特性変化させることができる。しかもドライバーが選択したサスペンション設定にも応じて、全体の特性を変化させることもできるのだ。

このCDCが、ARS(アクティブ・ロール挙動安定化装置)システムの制御とも組み合わされているので運動能力と優れた乗り心地の両方を向上させるわけだ。

新型BMW 5シリーズ・グランツーリスモに採用されているもうひとつの先進装備が、ボッシュGmbHとZF社との合弁会社であるZFレンクシステム社製のアクティブ・ステアリングシステムだ。

アクティブ・ステアリング・システムはステアリング・レシオが可変し、安全、操作性を大幅に向上させる

アクティブ・ステアリングシステムはステアリング・レシオが可変制御される。危険に直面したような状況、例えば旋回中にリヤタイヤが外に流れるオーバーステアや、ブレーキングした瞬間に、異なる路面状況のためにそれぞれのタイヤのグリップがバラバラ、といった状況を検出した場合、通常はESPがバックアップして安定性を確保する。

しかしこのタイミングでアクティブ・ステアリングシステムが介入すれば、挙動の乱れに対して舵角を直接動かすことが可能であり、より安全な状態に立て直すことができる。それも、ベテラン・ドライバーでも不可能なほど素早くかつ正確に車両をコントロールすることができるのだ。

このようにBMW 5シリーズ・グランツーリスモが快適かつダイナミックな走りや安定性を発揮するために、ZF社の先進技術が大きく貢献していることがわかる。

 

ZFジャパン 公式サイト

 

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