横浜ゴム「ブルーアースGT-AE51」 ミドルクラスセダンがメインターゲットの新タイヤ

マニアック評価vol649
ヨコハマタイヤの低燃費タイヤブランド「ブルーアース」からブルーアース-A(エース)の後継モデルに位置付けられる「ブルーアースGT-AE51」が2018年11月27日から発売されている。その比較試乗をする機会があったので、お伝えしよう。
横浜ゴム ブルーアース GT-AE51

ブルーアース・シリーズはヨコハマタイヤの中核ブランドで、4つの商品構成からなっている。(商品構成については後述)今回のブルーアースGT AE51は、タイヤラベリング制度において、転がり抵抗とウェット性能でA/aの評価を得ているブルーアース-Aの後継モデルで、獲得したラベルは全サイズで最高グレードのウェット性能「a」を獲得し、転がり抵抗では31サイズで「AA」、26サイズで「A」を獲得している。

開発の狙いは重量級のセダンをメインターゲットとし、ボディサイズで言えばCセグメントサイズからEセグメントがターゲットになるタイヤだ。

プレミアムインポートカーもターゲットに開発された
プレミアムインポートカーもターゲットに開発された

ブルーアース・シリーズのイメージはどちらかと言えば、低燃費で安価なイメージがあると思うが、こうしたミドルサイズのセダンを対象としているので、正反対のプレミアムイメージがあってもおかしくない。開発車両もアウディA4、A6、メルセデス・ベンツCクラスなどが使われての開発なので、欧州プレミアムセダンもターゲットにしているタイヤなのだ。

テスト車もメルセデス・ベンツCクラスを使用
テスト車もメルセデス・ベンツCクラスを使用

開発のキーワードは、「剛」だ。操安性、直進性などにおいて剛性感があり、しっかりとした操縦安定性能を目指し、安心感のあるタイヤとして開発し、ウェット性能、転がり抵抗は従来性能を維持、向上させる、というのが目標とされている。タイヤ技術の詳細はこちらを参考にしてほしい。
※関連記事:横浜ゴム、トータルパフォーマンス重視のグランドツーリングタイヤ「ブルーアースGT AE51」発売

試乗レポート

試乗は一般道で行なわれた。箱根周辺のワインディングを中心に乗り心地やノイズ、操安性を従来品のブルースアース-Aとの比較試乗という方法でテストした。また、試乗車両はスバル・レガシィB4、メルセデス・ベンツCクラス、アウディA4という車種で、まさに開発に使った車両でもある。装着サイズは車両によって多少異なるが、純正指定のサイズを装着して新・旧のテストをした。ちなみにアウディ、メルセデスがともに225/50R-17で、レガシィは225/55R-17だった。

右が新製品のブルーアースGT AE-51。左が従来品のブルーアース-A
右が新製品のブルーアースGT AE-51。左が従来品のブルーアース-A

もともとブルーアース-Aは、静粛性が高く、乗り心地もいい。そしてウェット性能でaグレードを獲得し、転がり抵抗でもAを獲得しているトータルバランスの取れたタイヤだったが、ニューモデルのブルーアースGT-AE51はGTの名前のとおり、グランドツーリング用タイヤなのだ。つまり、長距離移動をするユーザーがターゲットであり、総合性能が求められるタイヤでもある。

横浜ゴム ブルーアース GT-AE51

そしてウェット性能は従来のラベリングそのままに転がり抵抗ではAAを獲得し、さらに剛性を上げているため、操安性能に優れているという。

NEXT:さて実際に比較試乗してみると…

さて実際に比較試乗してみると、静粛性では大きな違いは感じられないが、コーナーのアプローチで従来品はマイルドな印象。ブルーアースGT-AE51はエッジのあるシャープな手応えを感じる。コーナーに入りタイヤに負荷をかけていくとサイドウォールの剛性の違いも感じ取れる。極端な言い方をすれば、ステア応答性のレスポンスがいい、という印象なのだ。

横浜ゴム ブルーアース GT-AE51

もっとも比較試乗しているからこそ、その違いを感じ取れるわけだが、この違いは一般ユーザーでも十分感じる違いだと思う。こうした違いは質量を増やすことで得るしっかり感に似ているが、実際は若干の軽量化がされており、従来品より軽くなっているというから、構造やトレッドデザインなど技術的な要件でこうした剛性感を作ったということだ。

印象としてはメルセデス・ベンツ、アウディにぴったりな印象がある。

アウディA4では新旧の違いがよく分かった
アウディA4では新旧の違いがよく分かった

ブルーアースブランド

ヨコハマタイヤのラインアップでは、トップブランドに高性能タイヤ「ADVAN(アドバン)」があり、低燃費シリーズに「Blue Earth(ブルーアース)」がある。そしてスタンダードタイヤとして「ECOS(エコス)」シリーズという3シリーズ展開をしている。

そのブルーアース・シリーズには4つの商品構成があり、転がり抵抗/ウェット性能がA/aのBlue Earth-A(ブルーアースエース)、転がり抵抗AAAの低燃費タイヤがBlue EarthAE-01、AE-01Fがある。そして低燃費の最高峰にはBlue Earth-1 EF02とミニバン、SUV用のBlue EarthRV-02というラインアップになっている。

従来のブルーアース-Aはハイブリッドカーや重量級セダン、ミニバン、輸入車をターゲットとしていたが、よりターゲットを明確にしたのが今回のブルーアースGT-AE51というわけだ。しかし、軽自動車用も実はラインアップされていて、豊富なサイズラインアップというのも特徴だ。

今の軽自動車は乗用車のスモールカーを凌ぐ乗り心地だったり、静粛性も高くなっているため、純正装着タイヤより、グレードを上げてみるのもいいだろう。モデルによっては燃費に特化したタイヤを純正装着している場合もある。そうしたモデルにはこのブルーアースGT AE51がまさにドンピシャなタイヤだとお勧めする。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

横浜ゴム 関連情報

COTY
ページのトップに戻る