2018年9月20日、パナソニック・オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、アイドリングストップ車用バッテリーの大容量化を実現した「caos(カオス)」シリーズを11月中旬より発売すると発表した。
クルマの電子化や省燃費技術の進化により、カーバッテリーの負担は増加傾向にある。特に普及が進むアイドリングストップシステム搭載車は、停車時にエンジンの始動を繰り返すので、より高性能なカーバッテリーが求められる。
新「caos」アイドリングストップ車用は、電池材料・構造・工法までを見直すことで、業界最高水準の大容量化を実現。また、充電不足による燃費低下を抑制するため、素早く充電できるクイックチャージ性能を強化した。さらに耐久性を高めることで、従来品比約1.77倍の長寿命化を実現している。
アイドリングストップ車用の新「caos」は、従来より使用していた「三次元高密度ペースト」の配合をさらに進化させ、ペーストの電気反応面積を増やすことで、業界最高水準の大容量化を実現。
さらにアイドリングストップ車はバッテリーが放電気味で使用されるため、充電が不足しがちになるため、新「caos」はペーストにアイドリングストップシステムに適した新たな添加剤を採用することで、充電不足状態から素早く回復させるクイックチャージ性能を向上。大容量化と合わせて、アイドリングストップを安定作動させ、車両本来の省燃費性能をキープすることができるようになっている。
またアイドリングストップ車は、エンジン停止、再始動時に頻繁な充放電を繰り返すため、バッテリーが劣化しやすい。劣化が進むとバッテリーの電圧が下がり、アイドリングストップシステムが機能しなくなることも発生する。新「caos」は、極板同士をつなぐストラップ部に新規工法を採用し、電気が集約されるストラップ部の低抵抗化を図り、また新たな添加剤を採用することで、寿命末期まで高い電圧を維持。これにより、アイドリングストップ可能期間が延長、従来品に比べて電池寿命が約1.77倍に向上している。
さらに車載バッテリーは使用時の温度変化による蒸発や電気分解によりバッテリー液が減少してしまう。今回から採用した「ハイドロコントロールシステム」はバッテリー内部で発生した水蒸気やガスの流出を抑制することで、優れた減液抑制効果を発揮し、アイドリングストップ車用バッテリーにおいて、バッテリー液の減少を従来の約半分にまで抑制。結果的に補水メンテナンスの手間を軽減、さらに、減液が原因となり発生するバッテリー破損事故の発生リスクを軽減することができる。