自動車産業やその他の分野における開発、シミュレーション、テストを行なう世界トップレベルのテクノロジー開発企業のAVL(オーストリア)とマイクロソフトは2025年3月25日、AIを活用しソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)の近未来を築くために、仮想空間で短期間に開発できるシステムをインターネット経由で発売すると発表した。

AVLとマイクロソフトは、約2年前から車両開発の変革に向けた協力を続けており、両社ではクラウドベースのソフトウェアソリューションとAIベースのエージェントの統合に注力しており、ハードウェアプロトタイプを使用せずに、わずか24かヶ月以内に車両の量産準備を整えるという目標を実現している。
このため、エンジニアリングの知識を体系化し、車両全体の設計を生成する仕組みにより、開発全体の効率化とスピード向上に大きく寄与する事が可能になる。
車両を個別の開発フェーズで見るのではなく、システム全体をパラメータ化し、仮想的にマッピングすることでプロセスがより効率的になり、開発時間が短縮され、製品の品質を向上させることができるのだ。

今回の発表は、AVLとマイクロソフトの取り組みにより、最初のSaaS(インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービス)ソリューションがAzure Marketplace(クラウド利用の企業向け技術のオンラインストア)で利用可能になったことだ。
重要なマイルストーンとなるのが、仮想車両開発に新しい基準を設定するAVL DevOps Pilotだ。「Microsoft Azure 」クラウド(マイクロソフトの世界規模の企業向けクラウド網)と人工知能(Azure OpenAI)を活用したシステムテスト・パイプラインの自動化により、SDVのソフトウェア開発が大幅に加速できる。同時に、Azure Cloudの高度なデータ分析ソリューションにより、仮想テストベンチから実際の路上使用まで、効率的なデータ管理とシームレスなトレーサビリティが可能になるのだ。
AVLのイェンス・ポッゲンブルク副社長は、「AVLの豊富なエンジニアリング専門知識とマイクロソフトの先進的なクラウドおよびAI技術の組み合わせにより、車両開発において全く新しいアプローチが可能になります。スケーラブルでシミュレーションに基づく手法は、リソース消費を最適化するだけでなく、革新的なモビリティソリューションの市場投入を加速します」と語っている。
またマイクロソフト・オーストリアのジェネラルマネージャーのヘルマン・エーラッハ氏は、「AVLは、効率的かつ持続可能なモビリティを体現しており、その革新的な力によって車両の開発と利用方法を根本的に変革しています。私たちは、AI技術を用いて自動車業界における革新を共に推進するために、協業できることを誇りに思います」と語っている。