IoTで路面状況を「見える化」 村田製作所は路面検知システムの実証実験開始

電子部品の開発・生産・販売を行う電子部品メーカーである株式会社村田製作所は、IoTを活用した低コストで効率的な道路保全と自動運転社会への貢献を目指し、独自のセンサ情報と画像技術を組み合わせた高精度な路面検知システムを開発、2018年7月より京都府宇治市にて本システムの社会実証実験を開始していることを発表した。

村田製作所 路面検知システム 社会実証実験
開発中のシステムのイメージ

今回発表されたシステムは一般車両に搭載することができ、ジャイロセンサ、加速度センサ、ショックセンサやマイクなどから得られるデータをもとに、さまざまな環境下において、道路の老朽化度合いなどの路面状況を「見える化」することで、効率的な道路保全を実現するプラットフォームとなっている。たとえば、道路管理者である自治体などは、これらの情報を得ることにより、道路の状況を把握し、道路保全の効率化と行政サービスの向上を図ることができるようになる。

また、凍結など天候とともに変化する路面情報は、自動運転社会に必要とされる高精度マップにおいても必須の情報となる。本システムから得られた情報をリアルタイムに提供することにより、自動運転社会に貢献することも構想。現在、本システムの事業化に向け、さらなる社会実証実験などを計画している。
村田製作所では今後、本システムにより得られた情報を有効活用する方法についても検討を進め、新たなサービスの創出や社会インフラサービスへの貢献を目指していく。

各自治体にとって、橋梁・トンネル・道路などの交通インフラを維持・管理することは、住民の快適な暮らしや防災などの面から非常に重要だ。しかし、国土交通省が試算した結果によると、2013年度の維持管理・更新費は約3.6兆円、10年後は約4.3〜5.1兆円、20年後は約4.6〜5.5兆円程度になるものと推定されており、国や各自治体の財政を圧迫する要因にもなっている。(平成25年12月「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について」答申/社会資本整備審議会・交通政策審議会)
村田製作所のセンサを活用した今回のシステムは、検査プロセスの低コスト化を図り、さらには雨天や降雪など悪天候時に露見する道路の欠陥情報を提供することで、効率的な予防保全の実現を支援するとしている。

村田製作所 公式サイト

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