「セレンス」が「HERE」と提携 より高性能な対話型情報サービスが実現

自動車業界に向けて自然会話型アシスタンスやAI技術を提供するセレンスは2020年3月5日、高精度地図と位置情報プラットフォームサービスの世界的リーダーであるオランダのHEREと提携し、HEREのロケーション・インテリジェンス(位置情報サービス)とセレンスの自然会話システム、さらに高度なAIを搭載したモビリティアシスタント製品の提供を開始すると発表した。

提携概要

両社は、長期にわたるパートナーシップをベースに、HEREが提供する地図API(Application Programming Interface)、POI(Point of Interest)データにセ、レンスの音声でアクセスする機能をアウディ、BMW、ダイムラーなどの自動車メーカーに提供していく。

電気自動車向けの充電スポットや、ガソリンスタンド、駐車場、天気などにも対応したHEREの音声認識APIは、ドライバーが特定のコマンドの代わりに自然な言いまわしで最寄りの充電スタンドを探したり、悪天候の場合には目的地の近くにある屋根付き駐車場を見つけたりすることができるようになる。

この音声認識ソリューションは、ドライバーの好みや習慣などの継続的なAIベースの学習機能を使用し、よりドライバーが使いやすいように成長する。HEREの豊富な位置情報データは、ドライバーの好みに合わせた文脈情報を提供することで、より適切で関連性のある提案が可能になるという。

例えば、ドライバーが軽油を提供する24時間営業のガソリンスタンドを頻繁に利用していることをシステムが学習すると、その好みに合わせた提案を行なうことができるというわけだ。

またHEREの3次元地図がセレンスのドライバーの挙動を検知し、例えばドライバーの視線検知と音声認識の両方を利用し、車外の興味を引いた場所に関してとやり取りすることが可能になる。

HEREの最高製品責任者(CPO)であるヨルゲン・ベーレンスは、「モビリティ・アシスタントの人気が高まるにつれて、ドライバーがモビリティアシスタントとその機能を十分に活用できるようにするには、正確な位置情報が不可欠です。セレンスと連携して、車内で意のままに情報を取得でき、より安全性を高める音声対応のドライバー行動検出の技術を作り出すことを嬉しく思います」と語っている。

またセレンスのコア・オートモーティブ部門エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのステファン・オルトマンは、「HEREとの提携は、モビリティ・アシスタントの全体的な性能を最適化するためのコミットメントをさらに強固にするものです。HEREは信頼できるパートナーであり、業界リーダーであり、HEREの広範な地図とPOIデータは、ドライバーに日常生活で頼りになる情報提供をたらすためにきわめて重要です」とコメントしている。

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