住友ゴムは2024年2月15日、国内EV向け市販タイヤの第2弾商品として、ダンロップ史上最高レベルの低燃費(電費)性能を実現したEV小型トラック向けタイヤ「e. ENASAVE(イーエナセーブ) SPLT58」を、3月1日から発売すると発表した。発売サイズは2サイズで、価格はオープンプライス。
世界的な脱炭素化の流れを受け、EV小型トラックの生産台数は増加することが予想されている。このトレンドに対応して発売される「e. ENASAVE SPLT58」はEVの課題である一回の充電で走れる航続距離を伸ばすことに加え、専用バッテリー搭載による車重増によるタイヤ摩耗を抑えることを目的に開発されている。
トレッド幅とショルダープロファイルを最適化した「低燃費ショルダープロファイル」によって、余分なゴムを削減し、燃費悪化の要因となる無駄な発熱を抑制。これにより、低燃費(電費)性能に寄与する転がり抵抗係数を従来品のダンロップ「ENASAVE SPLT50M」比21%低減させている。
また、タイヤ幅方向の輪郭であるトレッドラジアスとタイヤ骨格であるケースラインを最適化する「荷重ロバスト性向上プロファイル」によって接地形状の変化を抑制。さらに、周方向のサイプをなくすことによってブロック剛性を向上させ、リブエッジに丸みを持たせることによってリブ内の接地圧を均一化することで、優れたライフ性能を実現。本来、背反する低燃費性能とライフ性能を高次元で両立させている。
具体的な技術としては、燃費悪化の要因となるタイヤの発熱を抑えるために、トレッド幅とショルダー部のプロファイルを最適化した「低燃費ショルダープロファイル」を採用。余分なゴムを削減するとともに、トレッド部のゴムに低燃費配合を採用。
さらに、製造時にトレッド部の表面に残るスピューを金型技術でなくすことで、新品時の路面との摩擦を軽減させた。これらの異なるアプローチを組み合わせることで、転がり抵抗係数を従来品のダンロップ「ENASAVE SPLT50M」比21%低減させている。
また、「荷重ロバスト性向上プロファイル」は、高荷重領域から低荷重領域における接地形状の変化を抑制し、トレッド面が均一に摩耗するようにしている。加えて、周方向のサイプを無くす「高剛性パターン」と、深さ方向に振幅を持たせた「3Dサイプ」を採用することでブロック剛性を向上。さらに、リブエッジに丸みを持たせる「球面リブ」でリブエッジの接地圧を低減。これらの技術を組み合わせることで、優れたライフ性能を実現している。
デザイン面では、ダンロップ・ロゴなど各刻印には凹文字を採用し、文字内には微細なセレーション加工を採用。さらに、サイズ表記も拡大することで、サイドデザイン全体の視認性を高め、これまでにない存在感を生み出している。