住友ゴム プレミアム・コンフォート・タイヤ「ビューロVE304」の技術探求

住友ゴムは2020年1月にダンロップタイヤのプレミアム・コンフォート・タイヤ「ビューロVE304」を発表し、3月1日から市場で発売が開始された。またそのタイミングに合わせて、「ビューロVE304」の性能を支える技術的なバックグラウンドに関する情報が提供された。

新開発タイヤの「ビューロVE304」は、プレミアム・コンフォートタイヤとされ、最上クラスの静粛性、乗り心地、優れたウエット性能と、さらにその性能が長続きするということを意味している。

静粛性

静粛性ではパターン・ノイズを改良することで大幅に向上させている。ロードノイズの発生源となる主溝を3D波型グルーブとすることで、溝を流れる気流をコントロールしている。主溝をS字状の曲線とすることで、この溝を通過して発生する騒音エネルギーを低減。さらにトレッドパターン全体もブロック・タイプではなく細溝を多用したサイプ・デザインとし、サイプの配置の間隔をランダム化することで、路面を叩く音圧を低減している。

この3つの技術を組み合わせることで、滑らかな舗装路面でも従来のビューロVE303と比べ新製品の「ビューロVE304」のパターンノイズは約1.2dB、騒音エネルギーで24%低減している。

一方、舗装の荒れた路面で発生するロードノイズは、トレッドの接地面形状をよりラウンド形状にし、接地時のタイヤ補強ベルトの端部の接地圧を抑え、ノイズの入力を抑制。

また軽量・高剛性の高級素材であるアラミド繊維と合成繊維を組み合わせたハイブリッド素材の補強ベルトを使用することで、路面からの振動を抑制している。それらに加え、ダンロップが特許を持つタイヤ内部に吸音スポンジを貼り付けたサイレントコアを組み合わせることでロードノイズは、従来型に比べ「ビューロVE304」は騒音エネルギーを29%低減させている。

またラウンド形状の接地面形状にしたことで、直進安定性やコーナリング時のコントロール性も高められている。特にコーナリング時の接地面の変形を抑制することで、操縦安定性は10%向上しており、安定感のある上質な走りになっているという。

ウエットブレーキと長持ち性能

ウエットブレーキ性能の向上は、トレッドゴムに水素添加ポリマーを配合している。このトレッドゴムにより、ゴムの分子が断裂しにくく、たとえ断裂しても復帰する特性が与えられ、結果的にしなやかな特性が得られ、ウエット路面でも路面により強く密することでグリップ力を生み出す。

このウエット性能が長続きするのを支えるのはトレッド部の3D波型グルーブだ。通常のタイヤでは摩耗が進むとそれだけ溝の断面積が減少し、排水性能が低下していく。「ビューロVE304」は摩耗が進むと溝の太さが拡大する3次元の溝断面となっており、摩耗しても溝の断面積が減少しないようになっている。その結果、十分な排水性能が確保されるのだ。

ウエット性能は、従来製品との比較で7%向上しており、ウエット路を100km/hで走行時のブレーキ性能は、およそ畳2枚分の制動距離短縮になるという。

また長持ち性能では、摩耗の進行に対する性能低下率は従来品に比べ14%向上しており、それだけ性能が長持ちすることになる。

「ビューロVE304」は全64サイズを展開し、セダン、SUV、ミニバンなど幅広い車種に対応しているが、ラベリング制度で63サイズで最高グレードの低転がり性能「A」、ウエットグリップ性能「a」という最高ランクを獲得しており、1サイズのみが「A」、「b」となっている。

ダンロップ ビューロ VE304 サイズ表

Twitter:https://twitter.com/autoprovenet
facebook:https://www.facebook.com/autoprovepage/
Youtube:https://www.youtube.com/user/autoprove/

ダンロップ 関連記事
ダンロップタイヤ 公式サイト
住友ゴム 公式サイト

ページのトップに戻る