↑MOU締結を伝えるデンソー公式サイトの画面
日本を代表するティア1(サプライヤー)企業であるデンソーは2012年2月29日、米国カリフォルニア州に本拠を置くIT関連企業大手のインテルと、次世代型車載情報通信システムに関する共同開発について、「MOU(Memorandum of Understanding=了解覚書)」を締結したと発表した。
これはカーナビゲーションシステムに代わる新しいシステムとして、IT関連技術を活用した次世代型車載情報通信システムの開発ニーズが高まっていることが背景にある。従来のシステムはナビゲーション機能が中心だったたが、今後はこの機能に加えて、乗員が車内外にある情報を必要に応じて自由に入手してディスプレイに表示させたり、ソフトウェアを通信経由でバージョンアップしたりといった「インフォテイメント機能※」を兼ね備えた車載情報通信システムに進化していくと考えられている。
今回のデンソーとインテルのプロジェクトは、車両の情報やさまざまな車外の情報をタイムリーに乗員に提供し、スマートフォンやタブレット端末のようなユーザーインターフェイスを備えた、次世代の車両に搭載するための新しい車載情報通信システム向けプラットフォームの開発を目的としている。
共同開発にあたっては、パソコンに搭載されているチップ類に代表される、インテルの持つ最先端のIT関連技術に関するノウハウと、デンソーがこれまで自動車総合部品メーカーとして蓄積してきた、IT関連製品を車両へ搭載するために必要な品質要件とインフォテイメント機能に要求される機能進化との両立に関する専門性など、インテル及びデンソー両社の幅広いノウハウを効率的に活用予定だ。そのことから車両情報に加えて、さまざまな車外の情報をタイムリーにドライバーに提供する、新しい車載情報通信システム向けプラットフォームの開発を行っていく。
またデンソーでは今後もインテルに限らず、世界各国のIT関連企業や半導体メーカー、家電メーカーなどと共同で次世代型車載情報通信システムに必要な技術の開発と、製品プラットフォームの拡充に取り組んでいくとしている。
※インフォテイメント機能:ナビゲーション/車両情報/オーディオ/インターネット接続などを統合した機能のこと