【デンソー】最新ラジエーターGSR&EGRクーラーの秘密

デンソーはこのほど、最新タイプの軽量・小型のラジエーターと、新開発された小型EGRクーラーを発表。いずれも新型のトヨタ車に採用されている。GSRシリーズ(新型ラジエーター)

新型のラジエーターはGSRシリーズと名付けられ、従来のラジエーターより40%の小型・軽量化をはかっている。(GSRはグローバルスタンダードラジエーターの略)

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ラジエーターの性能は、空気と接触して冷却を行うフィンとチューブにより決定されるが、今回の大幅な小型・軽量化が実現したのはフィンの改良によるものだ。フィン表面に備えられるルーバーと呼ばれる放熱部の形状を微細にし、単位面積あたりのルーバーの数を30%増加させ、これにより従来品との比較で放熱効率を10%向上させたのだ。また、フィンとチューブは、従来品より薄肉・高強度の材料をメーカーと共同開発し、板厚の薄い材料で同等の強度を確保。特にフィンは世界最薄の材料となっている。

これらの改良により、従来は27mmだった製品幅を16mmにしても同等の性能を発揮することができ、そのためGSRは大幅な小型・軽量化を達成できたのだ。また、ラジエーターの樹脂タンクも植物由来の樹脂を採用しているため環境負荷を低めている。このGSRを採用することで車両の軽量化、エンジンルーム内での搭載自由度の向上に役立つのだ。

今回開発した製品幅16mm のGSRは新型レクサスGSに採用され、さらに今後は、従来製品の36mmサイズを27mmに、16mmサイズを11.5mm に小型化したGSRシリーズを順次製品化し、幅広い車種へ対応していく予定としている。

新型EGRクーラー

ガソリンエンジン向けの小排気ガス再循環システム(EGR)用の高性能なEGRクーラーを開発し、トヨタ・カムリ・ハイブリッド、アクアに採用されている。

EGRcooler

EGRクーラーは、高温になる排気ガスの温度を、水冷クーラーにより冷却することでガス密度を高めることでエンジンのポンピング損失低減、ノッキングを防止するために必要な部品だ。EGRクーラーを装着したEGRシステムは、クーラーなしの場合より約2?3%の燃費向上が見込まれるという。

EGRクーラーはエンジン周辺に装着する必要があるが、エンジン周囲には空きスペースが少ないため、できるだけ小型化することが求められている。

今回、デンソーが新開発したEGRクーラーは、市場に出ている従来タイプのEGRクーラーが、内部の冷却用オフセットフィンのスリット幅が4?5mmであったのに対し、スリット幅を1mmにまで微細化したことで冷却性能を高め、単位容積あたりの放熱量を向上させている。

その結果、既存で最小のEGRクーラーと同等の性能で30%小型化を達成したのだ。今後はガソリンエンジンの高圧縮化やポンピング損失低減への取り組みのためにEGRシステムの性能アップがいっそう求められると予想されるので、より小型のEGRクーラーの存在価値は高い。

デンソー公式サイト

COTY
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