デンソーは四輪車用として世界最軽量クラスとなる重量1.9kgのスターターを開発した。今回開発したスターターは、1月20日に発売されたスズキのMRワゴンから搭載する。
スターターは、エンジン始動の際にピニオン・ギヤを押し出して、エンジンのリング・ギヤにかみ合わせることで駆動しているが、これまではそのピニオン・ギヤを回すためのモーターを小型化し、軽量化を図ってきた。今回デンソーが開発した新型スターターは、ピニオン・ギヤを押し出す機構そのものを改良し軽量化を行った。
新型スターターは、駆動部分にあるクラッチとピニオン・ギヤを分離し、ピニオン・ギヤのみでリング・ギヤにかみ合わせる「ピニオンシフト機構」を開発した。これにより、クラッチとピニオン・ギヤの両方を動かす必要がなくなり、さらに、かみ合いに必要な力も低減されるため、スイッチ部分の小型軽量化も可能となり、全体で約40%の軽量化を達成し、1.9kgという重量を実現させた。
新開発したスターターは、軽自動車クラスから1.2Lクラスのガソリン車に対応し、また、同時に開発した約30%の軽量化を達成した2.1kgタイプのものは、1.2〜2.5Lクラスの車に対応する。
今後は、中国、タイ、ブラジル、インドなどへも展開し、両タイプで年間500万台の生産を目指すとしている。