2017年11月7日、メガ・サプライヤーのコンチネンタル・オートモーティブとライト類を開発・製造するオスラムは合弁会社の設立計画を発表した。
合弁会社設立の目的は、革新的なライティング技術とエレクトロニクス、ソフトウェアを統合し、自動車向けの新世代ライティングの開発、製造、およびマーケティングを行なうことを目的にしている。そして協業を通じて、革新的な製品・ソリューションを生み出し、市場導入を加速させることを目指している。
新たな合弁会社「オスラム・コンチネンタル(Osram Continental GmbH)」はミュンヘンに拠点をおき、グローバルに事業を展開する予定で、コンチネンタルとオスラムはそれぞれ50%の出資比率となっている。
世界17拠点で働く従業員数はおよそ1500名にのぼり、年間売上高は5億ユーロ前後を目指す。契約合意、両社監査役による事前同意、カルテル法の承認などを条件とし、合弁会社は2018年から事業を開始する予定だ。
新たな合弁会社には、オスラム社の自動車用全固体レーザー照明(SSL)モジュール事業が移行される。またコンチネンタルは、インテリア部門ボディ& セキュリティ事業部のライトコントロール事業を合弁会社に統合させる予定だ。
ーーコンチネンタルのインテリア部門の責任者であるヘルムート・マッチ氏
「自動車向けのライティング市場はイノベーションのスピードが速く、ソフトウェアも同様です。従来のライティング技術の知見が自動車メーカーにとって引き続き重要である一方で、新しいラインティグ機能を実現するエレクトロニクスの重要性が高まっています。合弁会社を通じて、これらの分野を統合し、新たなレベルへと引き上げます」と語っている。
ーーオスラム取締役会メンバーのシュテファン・カンプマン氏
「合弁会社はオスラムが一貫して開発している、ライトのデジタル化にコンチネンタルのソフトウェアとエレクトロニクス領域におけるノウハウが加わることで、自動車のライティング分野における技術的リーダーシップを補完する形になり、先進的企業が誕生することを意味します」と語っている。
こうした合弁会社設立の背景には、自動車用のライティング市場において、技術的転換点に差し掛かっているからだ。
民生用のライティングと同様に、自動車用ライティング・システムは半導体ベースのライティングソリューションに移行しつつあり、車内のライティングや新しいライティングの設計がインテリジェントになるにつれ、半導体ベースの技術、ソフトウェア、エレクトロニクスの持つ重要性が高まっているからだ。
その結果、半導体ベースのヘッドライト市場は、毎年2桁成長を見せている。市場調査によれば、2025年には新車の2台に1台は、半導体ベースのライティング・システムを装備していると予想されている。