主要国ドライバーの意識調査 運転が楽しくない日本のドライバー

この記事は2019年4月に有料配信したものを無料公開したものです。

グローバル規模のメガサプライヤー、コンチネンタル・オートモーティブは2011年から定期的に主要市場で、ドライバーの運転に関する意識調査「モビリティ・スタディ」を行なっている。特に重要なマーケットを対象に調査を行なっており、調査国は日本、アメリカ、中国、ドイツが選ばれている。

主要国ドライバーの意識調査

国ごとでドライバーの意識は大きく違う

今回の調査は2018年夏に行なわれ、従来と同様に専門的な調査会社がインタビューや調査を担当し、日本、中国、アメリカはWEBでのアンケート、ドイツでは電話とインタビューにより実施されている。また調査対象者の数は各国とも1050人で、十分に信頼できる母数を確保している。

また調査対象者は16歳以上で、少なくとも1ヶ月以内にクルマを運転した人と、運転をしなかった人のグループに分類されている。では早速調査の結果を見てみよう。

主要国ドライバーの意識調査

運転に自信がない日本人は異常だ

最初の質問は、「自分は運転がうまいと思っているか?」という問だ。
ドイツでは66%、アメリカでは86%、中国では63%がYESと答えているが、なんと日本だけは25%に過ぎない。
2問目は「クルマの運転は楽しいか?」という問いだ。
ドイツ:64%、アメリカ:62%、中国:69%がYESだが、日本:43%と低めになっている。

3問目は、「道路が混雑、渋滞している場合は運転にストレスを感じるか?」という質問。
ドイツ:67%、アメリカ:53%、中国:40%、日本:64%で、この点に関しては中国以外は似た傾向だ。ただ中国人はストレス耐性が強いのか、あるいは渋滞時でも運転時に心の余裕があるのか?

この1問目〜3問目を、対象国ごとに前回の調査(2013年)データと今回のデータの比較も行なわれている。ドイツ、アメリカに関しては2回のデータで大差がなく、中国は5年間で第2問の運転を楽しいと感じる割合いが48%から69%へと大幅に上昇。
しかし日本は、1問目の「自分は運転が上手だと思うか?」は53%から25%に急降下。
「運転を楽しいと感じるか?」は57%から43%と下がり、3問目の渋滞でのストレスは50%から64%へとアップしているなど、他の国とは異なる変化を示している。

日本のドライバーの気持ちを簡潔に表すなら、「渋滞に疲れ、運転が楽しいわけでもない」といったところか。ドライバーの3分の2が渋滞した道路にストレスを感じており、運転が楽しいと答えた回答者は全回答者の半分にも満たず、運転技術に自信がある、もしくはとても自信があると答えたのはわずか4分の1というのが現実なのだ。

主要国ドライバーの意識調査

つまり日本は運転に対して自信を失っており、運転の楽しさを感じる気持ちも薄れつつある。やはり交通環境が悪化していることへの反映か、あるいは社会環境が変化しているのだろうか? 運転に楽しさを感じるかは別にしても、「運転に自信がある」と答えた人が他国に比べて突出して少ない、つまり運転に自信がないという点は、異常ともいえる状態だ。

主要国ドライバーの意識調査

日本人には理解されない運転の楽しさ

4問目は、「可能なら毎日でもクルマを運転するか?」という問に対しては、
ドイツ:41%、アメリカ:46%、中国:50%、日本:33%がYESだ。
ドイツは回答した男性の87%は実際に毎日運転をしているという。

5問目は、「もし可能なら、いつでもどこへでもマイカーで行きたいか?」という問いには、
ドイツ:73%、アメリカ:80%、中国:71%、日本:62%がYES。
6問目は「市街地中心部ではクルマの運転が禁止される時代が来ると思うか?」で、
ドイツ:44%、アメリカ:20%、中国:55%、日本:8%で、国ごとに大きく違っている。

なお1〜6問目はすべて1ヶ月以内に運転したドライバーのみを対象とした回答だ。

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