コンチネンタル 運転時の安全性と使いやすさを大幅に改善する振動フィードバック式ディスプレイを開発

雑誌に載らない話vol116
コンチネンタル 触覚フィードバック式のディスプレイ

2015年6月9日、自動車産業サプライヤーのコンチネンタル・オートモーティブはアクティブ方式の触覚フィードバック式のディスプレイを開発したと発表した。

現在普及しているタッチスクリーン式ディスプレイは、操作するには手と目の複雑な協調動作が必要になるため、ドライバーの注意が一時的に散漫になることがある。画面でドライバーが望む操作考え、見つけて選択し、意図する機能が実際に実行されたことを確かめるため、ドライバーは道路から注意を数秒間そらすこともあり、その間はいわばわき見運転状態になる。

ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)の向上の観点から、新たに開発したアクティブ方式の触覚フィードバックディスプレイは、この問題をインテリジェントに解決することができる。このディスプレイは、画面の振動という刺激のフィードバックが指先に伝わるので、希望の操作が実行されたことやシステムが反応していることが認識できるのだ。この触覚フィードバック式ディスプレイは指による力の検出・認識を精密に調整することで、誤接触と意図的な操作命令の区別を可能にしている。

コンチネンタル 触覚フィードバック式のディスプレイ
触覚フィードバック式のタッチディスプレイの構造

今回発表した触覚フィードバック付きのタッチディスプレイは生産可能な技術を用いたデモ機で触覚アクチュエータシステムを内蔵した、車内用の8インチ(20.3 cm)タッチスクリーンだ。2017年には大量生産が想定されている。

アクチュエータは、2個の巻線を備えた電磁スプール、つまり円筒形の筒の中に串形状の振動体を置き、それを軸方向に駆動させるという仕組みだ。一定の操作状況になると、ユーザーが明確に感じることのできる振動という機械的フィードバックをアクチュエータが発生させ、加えられた力の測定ができる。アクチュエータはタッチディスプレイの後側、つまり画面の結合層(保護ガラス、静電容量センサー、ディスプレイ)の下側に取り付けられていている。もちろんフィードバックを発生させるため各部は従来より堅牢な構造になっている。

この新型ディスプレイはより大型のディスプレイ・サイズの12.3インチのディスプレイサイズでも実現可能だという。

ディスプレイの触覚フィードバックである画面の「たわみ」は0.1mm程度だ。しかしこのたわみはタッチ操作に非常にすばやく反応するため、その機械的な刺激は指先で明確に感じ取ることができる。フィードバックは常にディスプレイエリア全体で発生する。触覚フィードバックの特性と反応強度は自由に設定でき、OEM製造ではブランドごとの触覚基準に合わせることができる、特定の運転状況や操作状況にも合わせることができるという。

このシステムは、ドライバーが画面上を指でなぞると、触覚フィードバックにより単に反応するだけでなく触覚サポートによりディスプレイを見ることなく複数の仮想ボタンを設定することもできるメリットもある。

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コンチネンタル・オートモーティブ公式サイト

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