【コンティネンタル IAA】近未来の低燃費技術、運転支援関連システムを出展 フランクフルトモーターショー2013

「48Vエコドライブ」によるスタートアシスト、減速エネルギー回生性能の向上

2013年8月28日、グローバル自動車産業サプライヤーのコンティネンタルは、第65回フランクフルト国際モーターショーで、「ドライバーのある1日の生活」をキーワードにした「未来のカーライフ」をプレゼンテーションすると明らかにした。このプレゼンテーションでは、世界中のドライバーの日常のドライブのシーンで、安全、環境、情報技術分野のイノベーションを感じ取ることができる。

コンティネンタルが公開するイノベーションは、車両の周囲360度サラウンドビューの視覚化、比較的低コストで効率の高いマイルドハイブリッド化を実現する「48V ecoドライブ」、ドライバーの運転をアシストする最新世代のヘッドアップディスプレイなど多岐にわたり、「フューチャー・イン・モーション」のキャッチフレーズのもと、自動運転システムもプレゼンテーションされる。

運転支援システムに活用できる360度の視界を確保するサラウンドビュー

■サラウンドビュー:車両の周囲360度を視覚化
事故を抑止する運転への次の一歩として、車両の周囲360度を検知するシステムがサラウンドビューだ。4個のカメラで構成されているこのシステムは、障害物や歩行者の認識だけではなく、ドライバーへの警告や危険な状況下でブレーキの作動などを指示する。カメラから送られるそれぞれの画像は、電子制御システムによって合成されて360度のパノラマ画像となり、運転席のディスプレイなどに車両の周囲360度を上から見下ろした状態で表示される。この他、車両前後の人や車両の横断を検知したり、レーンキーピング・アシストや死角の障害物検出、自動駐車も可能なシステムだ。

■48Vエコドライブ
コンティネンタルは、より高効率で環境負荷の少ないクルマの実現のためには、電動化が大きな役割を担うと考えている。ただし、妥当な価格設定とユーザーのニーズに適応するるという2つの条件を満たさなければならない。コンティネンタルは従来のクルマ用の12V電圧を48V電圧システムとコンポーネントで補完する新たな「48V エコドライブ」システムを重視している。

「48Vエコドライブ」のコンポーネンツ。高電圧・高出力オルタネーター/モーター、DC-DCコンバーター、リチウムイオン電池
   環境性能の向上のための電動化の中における「48Vエコドライブ」のポジショニング

 

この「48V エコドライブ」電動化システムは、現在の12V電圧によるアイドリングストップ・システムをベースにした簡易型ハイブリッドシステムと高電圧のフル・ハイブリッドシステムのギャップを埋める役割を果たす。「48V エコドライブ」システム(48V用のオルタネーターとリチウムイオン電池など)は車両への搭載が容易で、これまでは12V電圧のマイルドハイブリッドでは限定されていた多くの機能と低燃費を実現することができる。このシステムは48Vを前提に高出力オルタネーター/モーターによる発進アシスト、より効率的な回生性能が実現できるのだ。ショーではこれらのメリットを説明するため、デモ用のプロトタイプ車両に「エコドライブ」システムを搭載。このシステムは新欧州ドライビングサイクル(NEDC)モードで約13%燃料を節約が可能だという。48Vコンセプトは業界で大きな注目を集めており、2016年には市場導入が開始される。

■ヘッドアップディスプレイ(HUD)
情報マネジメントの分野では、次世代のヘッドアップディスプレイ(HUD)を展示する。車内の情報量が増え続けている現代では、HUDはますます重要なヒューマンマシーン・インターフェイス(HMI)となっている。現在のHUD は、車両のボンネットの上方にサイズ6度(幅)×2 度(高さ)の仮想イメージを投影し、車両、交通情報を表示するディスプレイユニットとして、数字や簡単なグラフィックス、テキストでドライバーに情報を知らせる。一方で、次世代HUDはイメージサイズと品質の面でより優れたものが求めらる。そこでコンティネンタルは、ヘッドアップディスプレイを進化させるため、デジタルマイクロメーターデバイス(DMD)を組み込んでいる。

 

デジタルマイクロメーターデバイスを採用した次世代ヘッドアップディスプレイ

現在使用されているTFTと比較して、このDMDは拡大倍率を高められるため、より大きなイメージを投影できる。ナビゲーション用の矢印や交差点の形状も十分な大きさでフルカラー表示できる。さらに、DMDテクノロジーを使うことで、HUDは拡張現実感(AR)を持つ未来の計器となる可能性を持つ。これによりナビゲーション、ドライバー支援システムからのコンテンツとドライバーの実際の視野とを統合する仕組みが形成できるのだ。

■耐傷性に優れた新表皮材と幅狭タイミングベルト
ゴム系樹脂、プラスチックの分野では、主に2つのハイライト製品が出展される。まずは表皮材の新製品「TEPEO Protect」と「TEPEO 2」だ。これらは耐傷性に優れ、計器パネルや中央コンソール、トランクルーム、ドアおよび内装トリム材など、外観が損傷によって目立つ箇所に使用できる。

2番目は、新しいオイル潤滑式タイミングベルトも出展される。従来のタイミングベルトに比べて幅狭で、オイルによる摩擦の低減や制振効果により低騒音を実現している。エンジンのダウンサイジングが要求され、同時に静粛性向上が進められている現在、この新タイミングベルトが今後の重要な製品となる。

低摩擦で静粛なオイル潤滑式の次世代・幅狭タイミングベルト

 

 

コンティネンタル・オートモーティブ公式サイト

COTY
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