【ブリヂストン】 低燃費と快適性を両立させた新たな主力タイヤ、新ECOPIAシリーズを発表

2012年1月11日、ブリヂストンはECOPIAブランドの新商品、ECOPIA PZ-X(セダン・クーペ用・43)、ECOPIA PZ-XC(軽自動車・コンパクトカー用)、ECOPIA PRV(ミニバン用)の3種類を2月1日から発売すると発表した。

展開サイズや商品名称からもわかるようにこの新ECOPIAシリーズは、従来のECOPIAシリーズとPLAYZシリーズを統合した、同社のリプレイス用主力タイヤと位置付けられる。商品ポジショニングは、コンフォート/スポーツ軸、プレミアム軸の中央に位置するど真ん中のポジションとされ、同社の最も重要な商品となる。

シリカの超微細化技術と左右非対称構造の「ラク」性能を合体

新タイヤの技術的な特徴は、同社が従来から開発してきたナノプロテック(微粒径シリカ配合ゴム)と、PLAYZで採用されてきた左右非対称サイドウォール形状(ラク形状)を取り入れたことと、車種による特徴を織り込んだ最適設計していることだ。

ナノプロテックはゴムに配合されるシリカの粒子をナノmmレベルまで微粒化し、ゴム内部で均質にポリマーと結合させることでより安定した低転がり抵抗を実現している。

シリカはゴム内部の発熱を抑え、転がり抵抗を低減し、ウエット路面での親水性を高めてウエットグリップを確保するのに欠かせない素材だが、そのためにはゴムに配合する割合とポリマー分子との均一性を得ることが重要だ。シリカ分子が不均一の場合、シリカ分子同士が接触して発熱し、転がり抵抗や磨耗を逆に増大させる。したがってナノプロテックは、シリカの均一性を飛躍的に高める鍵となる技術なのだ。また、シリカの配合が多いとタイヤが転がる時に静電気を発生するが、地面に放電するために通電アンテナ線を内蔵している。

新ECOPIAシリーズは優れた低燃費タイヤであることの他に、「ラク」性能を取り入れていることも特筆できる。「ラク」性能はPLAYZシリーズで取り入れられた、タイヤの外側と内側のサイドウォールの曲率を変え、非対称構造にすることで外乱に対する安定性を高める技術だ。この構造を新ECOPIAシリーズに採用し、轍や横風などでハンドルを取られることなく安定性を高め、ドライバーのストレスを低減するというものだ。

車種に合わせた最適設計も特徴

新たなシリーズは機種別に次のような特徴を持っている。新ECOPIAのセダン・クーペ用PZ-Xは、高剛性ショルダーブロック、静音トレッドパターン、操縦安定性を重視。軽自動車・コンパクトカー用のPZ-XCは、アウト側のショルダー部を千鳥配置にすることで剛性を高め、小回り性能の向上、据え切りでのアウトサイドの編磨耗を抑える。そして、ミニバン用のPRZは、インとアウトのショルダーブロック剛性を大きく変え、イン側の剛性を高めることで、重心の高いミニバンのふらつきを抑制するように最適設計している。

シリーズ全体では日本自動車タイヤ協会(JATMA)が定める、エコタイヤに関するラべリング(表示)制度で、ほぼすべてのサイズが転がり抵抗で「AAA」(省燃費性能最高水準)、ウエットグリップで「C」を達成している。

エコ性能を感じさせないバランスの取れた走り

この新ECOPIAシリーズ発表会の後、市街地での試乗会が行われた。試乗したのはマークXに装着されたPZ-Xで、タイヤサイズは215/60R16。

試乗コースはフラットで路面のよい舗装路であったが、操舵フィーリングに違和感がなく、路面の継ぎ目でのアタリやショックの発生具合も減衰が滑らかで、従来のエコタイヤにありがちなアタリの強さ、硬さが感じられなかった。

試乗会も行われ、都内の一般道で試乗できた

走行中におけるステアリングの操舵感、手応えも十分だ。またカーブでの操舵に合わせた反力の発生もリニアであり、グリップしているフィーリングや剛性感も感じられた。さらに轍では、ステアリングの取られの発生が少なく、確かに「ラク」性能も実感できた。

新ECOPIAシリーズは、優れた燃費性能を実現していると同時に、エコタイヤとして意識することなく、また硬い、腰が弱い、といったデメリットも感じることなく使用できることを評価すべきだろう。

タイヤへの印刷技術も新開発

1月13日に開幕した東京オートサロンで、同社は新しいタイヤ印刷技術の開発に成功したことを発表した。従来からあるホワイトレタータイヤやホワイトリボンタイヤは、タイヤサイド部の変色を防ぎ、耐久性を確保するために多くの白色ゴムを貼り付けるため、タイヤ質量も増大していた。

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新開発したタイヤ印刷技術は、変色防止層の上に新規に開発したインクと保護層を印刷することで、タイヤ質量が増えることなくタイヤをドレスアップする技術だが、今後は実用化に向け評価、試験を行っていくとしている。

この技術が確立されることで、近い将来にはよりカラフルでデザイン性に優れたタイヤが登場する可能性が出てきた。また将来的には顧客が自分の希望するデザインや写真をタイヤサイド部に印刷し、さらにそれが不要になった場合はデザインを剥離させ、新たに印刷を施すことができるサービスも検討しているという。

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