ボッシュ「IAA TRANSPORTATION」に新型燃料電池搭載車両を出展

ボッシュは2022年9月15日、ドイツのハノーバーで開催される国際モーターショー「IAA TRANSPORTATION」に出展すると発表した。そしてこの会場で、新型燃料電池搭載の車両とボッシュの燃料電池技術をテストコースで実際に体験することができる。

小型商用車は、目的地まで商品を迅速に配達でき、排出ガスゼロのパワートレインを搭載しているのが理想的だ。しかしバッテリーによる電気駆動システムでは、航続距離に制約があり、車両が重くなるほど一定の限界がある。

そこで強みを発揮するのが、水素を燃料とする燃料電池(FC)だ。ボッシュは現在、この燃料電池を2台の小型商用車に搭載し、路上での試験走行を開始している。ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー兼モビリティ ソリューションズ事業セクター統括部門長のマルクス・ハインは、「燃料電池は航続距離の延長と燃料補給時間の短縮を可能にし、長距離移動をより経済的なものとします。2台の小型燃料電池商用車によりシステムに関する理解を深め、燃料電池が小型商用車に適した駆動ソリューションになり得ることを示すことができました」と語っている。

この燃料電池システムには、ボッシュのコンポーネントが多く採用されている。燃料電池キットは、スタック、水素ガスインジェクターと水素循環ブロワを含む水素供給モジュール、コントロールユニット、電動エアコンプレッサー、水素貯蔵タンクシステムのコンポーネント、さらに多数のセンサーで構成されている。

2台のテスト車両は電気で走行する市販のBEV小型商用車をベースとしており、リチウムイオン電池の代わりに、燃料電池、計10kgの容量を持つ5個の水素貯蔵タンクを搭載。パートナーのABT eLine社は、冷却システム、車両制御システムと電気システムの調整を、ボッシュは燃料電池システムの設計、同システムと水素貯蔵タンクの車両への組み込み、関連する制御システムの開発を担い、必要な技術テストを経て、車両の公道走行が正式に承認されている。

このテストカーは荷物を積載した状態でも車両は最大540kmの走行が可能で、6分で燃料を補給できる。そのため、燃料電池は将来的に、日中に長距離を移動し、夕方に整備工場や倉庫に戻るような小型商用車を管理するフリート運用者にとって、バッテリー電気駆動の重要な選択肢のひとつとなる可能性があるとしている。

ボッシュが初めて開発した燃料電池用コンポーネントはすでに量産体制に入っているが、開発は継続されている。システムのさらなる開発・熟成には、実際の走行からできるだけ多くのデータを入手する必要があるからだ。2台のテスト車両はクラウドと接続し、データは開発担当者のコンピューターにリアルタイムで送られ、テストベンチで測定した値を補完できるようになっている。ボッシュはこうした知識を蓄えることで、システム設計を包括的にカバーするだけでなく、従来よりも迅速にコンポーネントを提供できるようにする計画だ。

もちろんこの燃料電池技術が普及するためには、さらなるステップが必要になる。業界と政策側が一丸となって取り組み、水素技術の普及を推進していく必要があるのはいうまでもない。例えば、水素タンクのインフラ整備やグリーン水素の量産は、官民一丸となった取り組みでしか解決できない課題なのである。

小型商用車向けの新しい電動駆動モジュール

ボッシュは、その一方で物流用小型商用車向けの新しい電動駆動モジュールの供給も開始している。都市部の物資輸送の中核を担う小型商用車や中型トラックを電気駆動にするための、従来のユニットよりもさらに高い出力とトルク密度を実現し、より軽量・コンパクな電気モーターと一体型インバーターで構成される新しい電動駆動モジュールの量産を開始した。

モーターとインバーターを合わせた重量は約80kgだ。ボッシュは、新しいパワー半導体を使用して電力損失を20%以上削減し、インバーターの効率レベル97%を実現することで、車両の航続距離を延長することができる。またフレキシブルな構造により、既存車両、新型モデルのいずれにも、簡単に駆動モジュールを組み込むことが可能だ。

この新世代電動駆動モジュールが初搭載されるダイムラートラック社のモデルで、ボッシュのドライブトレイン用DC/DCコンバーター、車両コントロールユニットとともに採用されている。この永久磁石同期モーターの最大出力は129kW(175ps)で、定格出力は100kW(136ps)、最大トルクは430Nm。例えば8.5トンの車両重量でも、東京やローマ、サンフランシスコのような坂の多い都市でも優れた走行性能を発揮することができる。

この電動駆動モジュール最新の電動駆動モジュールは、乗用車に使用されている電気駆動技術をベースにしており、開発期間の大幅な短縮とコスト削減を実現。また電動駆動モジュールを車両の既存の水冷回路に組み込むことで、新たな冷却システムは不要としている。

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