ドイツ・ボッシュは2020年3月26日、世界で大感染が拡大している新型コロナウイルス「COVID-19 」を2.5時間で判定できる信頼性の高い検査キットを開発したと発表した。この世界初の全自動分子診断テスト・キットは、子会社のボッシュ・ヘルスケア・ソリューションズと、北アイルランドの医療技術会社のランドックス・ラボラトリーズ社とのコラボレーションで開発された。
「ボッシュ・プレスリリース原文(英語)」
2.5時間で感染の有無を確定できる
この高速検査キットは、10種類の呼吸器系の病原体を同時に診断して鑑別診断を行なうことができ、世界保健機関(WHO)の要件を満たしている。そのためこのキットは病院、保健所などの医療施設で「COVID-19」の検出作業効率を大幅に高めることができる。
ボッシュのフォルクマール・デナーCEO
「ボッシュの高速COVID-19試験キットは、新型コロナウイルスのパンデミックを一刻も早く食い止めるための一翼を担ってくれることを願っています。これにより、感染した患者の特定と隔離が迅速に行なうことができます。コロナウイルスとの戦いでは時間が重要です。信頼性が高く、迅速な診断をその場で直接行なうことができる私たちのソリューションは大きな利点です」と語っている。
医療現場で検査可能
わずか6週間で開発されたこの高速検査キットは、新型コロナウイルス「COVID-19」の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染を2時間半以内に検出することができる。この迅速な検査のもう一つの利点は、医療現場で直接検査を行なうことができるということだ。これにより、貴重な時間を要する従来のようなサンプルの運搬が不要になる。
また、患者は自分の健康状態について迅速に確実な情報を得ることができるし、感染者をすぐに特定して隔離することができる。現在使用されている検査では、患者は通常、結果が出るまで1日〜2日(日本では3〜4日)待たなければならないのだ。
新型コロナウイルスを用いた様々な実験により、この検査キットを使用すれば95%以上の精度で陽性、陰性の判定を行なうことができ、世界保健機関(WHO)の基準を満たしている。
綿棒を使って患者の鼻や喉からサンプルを採取し、検査に必要な試薬がすべて入っているカートリッジをこの検査装置に挿入して分析する。分析中、医療スタッフは患者の治療など他の作業に専念することができる。また検査装置は、特別な訓練を受けていない医療従事者でも確実に検査を行なうことができるように、ユーザーフレンドリーに設計されていることも特長だ。
またこの検査装置は、24時間で最大10回の検査を行なうことができる。これは、1日に最大1000回の検査を行なうのに100台の装置で済むことを意味する。「COVID-19」の急激な拡大を考えると、現状の検査システムはすでにキャパシティを超えているので、この新たな検査キットは検査能力を高めるのに役立つ。
世界初の全自動分子診断検査キット
この高速テストは、すべての医療機関で直接使用できる世界初の全自動分子診断検査キットだ。また1つのサンプルでCOVID-19だけでなく、インフルエンザAおよびBを含む他の9種類の呼吸器系疾患の検査を同時に行なうことができる。
「この検査キットの特徴は、鑑別診断が可能なことで、医師はさらなる検査に必要な時間を節約することができます。また、信頼性の高い診断を迅速に行なうことができるので、適切な治療をより早く開始することができます」
と、ボッシュ・ヘルスケア・ソリューションズ社のマーク・マイヤー社長は述べている。新開発のこの検査キットは4月からドイツで販売を開始し、その後ヨーロッパなど他の市場でも販売を開始する予定だ。
そしてこの検査キットは、病院、研究室、診療所で安全かつ確実に検査をすることができるので、患者と医療スタッフを最大限に保護することができる。
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