ボッシュは2020年1月6日、透明な液晶ディスプレイとカメラで構成され、従来の自動車用サンバイザーの常識を変えるAI活用のバーチャル・サンバイザーを開発したと発表した。
製品概要
ボッシュは、ドライバーの安全性と快適性を考える中で、忘れられがちなインテリア装備のサンバイザーに注目した。太陽の光は一時的に目が見えない状況を生み出すこともあり、他の天候条件と比較すると約2倍の自動車事故を誘発しており、アメリカ高速道路安全局によれば、太陽のまぶしさに起因する自動車事故が年間数1000件発生していると報告されている。
ボッシュが開発したバーチャル・サンバイザーは、インテリジェントなアルゴリズムを用いて太陽のまぶしさを判断して強い光を遮断しながら、ドライバーの前方の視界を遮ることがないのが特長だ。
バーチャルバイザーは、液晶ディスプレイパネルとドライバーまたは乗員をモニターするカメラとを結び付け、太陽がドライバーの顔に落とす影を追跡。システムは人工知能(AI)を使って、ドライバーに向けられたカメラの画像に基づきドライバーの位置を特定する。また、AIを活用して目、鼻、口を含む顔の特徴的な要素を判定することで、顔の上の影を識別することができる。そしてアルゴリズムがドライバーの視界を分析し、ディスプレイ上でドライバーの目に光が届く部分のみを暗くし、残りの部分は透明なままなのでドライバーの視界を大きく遮ることはない、という仕組みだ。
なおこの「バーチャル・サンバイザー」は、「CES 2020」において初公開され、CESイノベーションアワードを受賞している。