ボッシュとダイムラー、自動運転車両ライドシェアサービスの実証実験開始

ボッシュとダイムラーは2018年11月8日、アメリカのシリコンバレーの中心部、サンノゼ周辺で自動運転車両のオンデマンド ライドシェアサービスの実証実験を2019年後半に開始すると発表した。
ボッシュとダイムラー、自動運転車両ライドシェアサービスの実証実験開始

サンフランシスコ湾南岸のシリコンバレーの中心地であるサンノゼは、人口が100万人以上でカリフォルニア州で三番目に大きい都市だ。ボッシュとダイムラーは、このサンノゼ地域で高度・完全自動運転(SAEレベル4/5)のオンデマンド・ライドシェアサービスの実証実験を行なう。

このプロジェクトの実行と最終決定のための覚書の調印はすでに完了し、両社はメルセデス・ベンツSクラスの自動運転車両を使用して、市街地とサンノゼ西部の間に位置するサンカルロス・スティーブンスクリークの、特定のユーザーコミュニティにサービスを提供する計画としている。

サンノゼのサム・リカルド市長は、「このパイロットプロジェクトは、自動運転車両がどうすれば未来の交通ニーズをうまく満たすことができるかを模索する良い機会となるでしょう」と述べている。

ダイムラー社のドライブテクノロジー・自動運転部門のミカエル・ハフナー副社長は、「私たちは長年にわたり、自動運転の開発を推進し続けています。私たちはこのパイロットプロジェクトを通じて、未来のモビリティサービスとして、完全自動運転車両をユーザーへ最善の方法で提供するための、貴重な知見を得ることになります」と述べている。

ダイムラーのモビリティサービスが運用するオンデマンド・ライドシェアサービス・アプリが、カーシェアリング(car2go)、ライドシェア(mytaxi)、マルチモーダルプラットフォーム(moovel)などのモビリティサービスをどのように結合させるか、そして高度な完全自動運転車両をマルチモーダル輸送ネットワークにどのように統合できるかを実証する。

この取り組みにより、特定のユーザーコミュニティが所定の乗車場所から自動運転車両に乗車し、目的地まで自動運転で移動するという実験が行なわれる。都市環境で高度・完全自動運転(SAEレベル4/5)を行なうことで市街地での交通の流れを改善し、路上での安全性を高めることができるのだ。

この技術が実現確立されれば、カーシェアリングの魅力がさらに高まるだけでなく、走行安定性を保ちながら車内での時間を有効に活用したり、運転免許証を持っていない人にも新たなモビリティの機会を提供することができる。
ボッシュとダイムラー、自動運転車両ライドシェアサービスの実証実験開始

このプロジェクトに携わる両社の従業員は現在、高度・完全自動運転システムのコンセプトとアルゴリズムの共同開発を進めている。ダイムラーは運転システムを車両に組み込むために必要なコンポーネント(センサー、アクチュエーター、コントロールユニットなど)を開発している。そして両社はテストのためにそれぞれの研究施設とテスト装置、ドイツにある両社のテスト施設をフルに活用するなど緊密に連携を取っている。

これまでにメルセデス・ベンツは2014年にカリフォルニア州自動車局から自動運転車両試験実施の許可を受け、サニーベール(カリフォルニア地域)で自動運転車両のテストを進めているほか、本国のシュトゥットガルト市域でも2016年から同様の許可を得ている。ボッシュは、2013年初めにドイツと米国の公道において自動運転(SAEレベル3)の走行試験を行なった世界初の自動車機器のサプライヤーで、両社の経験、技術を持ち寄り、このプロジェクトは進められている。

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