ボルグワーナー トランスミッション組み込み型ハイブリッドユニットを欧州カーメーカーに供給

グローバル規模のメガサプライヤー、ボルグワーナーは2021年10月15日同社が開発、製造する一体型のP3ハイブリッド システム(エンジン切り離しクラッチ付きトランスミッション組み込み型ユニット)用のマイルドハイブリッド モジュールを量産し、2023年後半からヨーロッパの自動車メーカーに供給されると発表した。

P3タイプは、トランスミッション組み込み型のマイルドハイブリッドで、モーターユニットとトランスミッションは一体型で、エンジンとモーターとの間にクラッチを配置し、エンジン動力を遮断することができる構造になっている。

ボルグワーナーのP3ハイブリッド・モジュールは、モーター、パワーエレクトロニクス、ギヤ、水冷システムなどすべてのコンポーネントを1つのユニットに一体化させているのが特長で、今後多くのFFモデル、4輪駆動SUVに搭載される予定となっている。

この最新のハイブリッドドライブ モジュールの主な特長は、専用コンポーネントである永久磁石モーターとCMOS型インバーターだ。永久磁石式モーターはS型巻線成形プロセスを採用しており、駆動モーターやオルタネーター用に使用可能で、今回のモーターにも採用されている。この駆動モジュールは最大出力25kW(34ps)を発生。コースティングとエネルギー回生も行なうことができるようになっており、CO2排出量を大幅に削減することができるシステムとなっている。

複雑なエネルギーシステム インテグレーションのため、このマイルドハイブリッドドライブ モジュール用の複雑なソフトウェア制御システムもボルグワーナーが開発した。

このP3ドライブモジュールの生産開始時期は2023年8月が予定されており、軽量コンパクトを生かし、さまざまな車両に搭載が可能だ。

ボルグワーナー パワードライブシステムズの社長兼事業本部長のステファン・デメール博士は、「バッテリーからの電力から車両を駆動する出力トルクまで、すべてをシームレスかつ効率的に、しかも確実に制御する。これをP3モジュールのような一体化された電動システムで実現するのは容易なことではありません。高性能ハイブリッドを実車に適用するためのプロセス、システムエンジニアリング、ソフトウェア、そしてこれらを統合するために必要なノウハウなど最新のドライブモジュールは、これら包括的ノウハウを当社が備えていることを実証しています。お客様から提示された要件を満たすには、極めて限られたスペースで非常に高い性能レベルを発揮する必要があり、結果的には出力密度の高い、完全に一体化されたシステムソリューションとなりました。今回の開発プロセス全体で得られた技術の進歩は、今後の完全一体型システムによるソリューション開発の基礎となります」と語っている。

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