グローバル・サプライヤーのヘラー社(フォルシアと合併)は2022年7月19日、世界初の完全電気式ブレーキペダルセンサーの量産開発を受託したと発表した。電気式ブレーキペダルセンサーは、ドイツ・リップシュタットにあるヘラー本社で開発され、2025年にヘラーのヨーロッパ生産ネットワークで最初の量産が開始され、ドイツの自動車メーカーに供給される予定となっている。
グローバル・エレクトロニクス事業担当のビョルン・トゥビーハウス役員は、「ヘラーは20年以上にわたり、ペダルセンサーの分野で世界をリードするサプライヤーの1社です。これを基盤として、数年後にはすべての車両セグメントで標準となるであろうブレーキbyワイヤーのソリューションにおいて、新たな技術的マイルストーンを打ち立てることができました」と語っている。
ブレーキbyワイヤーペダルは、ペダルがロッドを介してブレーキシステムに機械的に接続されている従来のブレーキシステムの操作感を電気的に再現しているのでドライバーには違和感はない。ヘラーのbyワイヤー・ソリューションにおけるブレーキ指令の制御は、機械的な要素はなしで完全に電子的に行なわれるため、自動運転の機能も同時にサポートされる。また、ブレーキ機能のカスタマイズ設定が可能となり、あらゆる走行シーンに対応したブレーキ力を実現することができる。
さらに、ブレーキbyワイヤーペダルには軽量なプラスチックのみを使用しているため、部品重量を最大で20%削減。これにより、電気自動車の航続距離を延ばし、内燃機関やハイブリッド駆動の自動車のCO2排出量を削減することに繋がり、高い性能と機能的な安全性を維持することができる。さらに、車両の生産時に取り付けコストや部品点数の削減にも貢献する。
なお、このブレーキbyワイヤーの技術は、フォルヴィア(フォルシア・ヘラーのグループ名称)グループの傘下でヘラーとフォルシアが共同で取り組んでいる主要なトレンドテーマの一つである「コックピット・オブ・ザ・フューチャー」の開発の一環でもあるのだ。