WTCC 2014 世界ツーリングカー選手権・第9戦 北京 シトロエンを破りラーダが歴史的勝利!

WTCC 2014 北京
レース2で、スタートtoフィニッシュし、ラーダに記念すべき初勝利をもたらしたハフの走り

8月上旬からの2ヶ月間にわたる夏休みが終わり、いよいよWTCCの後半戦が開幕した。WTCCに参加するチームは中国に渡り、2014年10月4~5日、北京の金門公園サーキットでWTCC第9戦が開催された。

ちょうど2ヶ月間の夏休みはもちろんバカンスだけではなく、主要チーム、シトロエン、ホンダ、シボレー、ラーダは後半戦に向けてのテストを行ない、空力性能の向上やシャシーのセッティングを改良して、この北京に臨んでいる。

なお、中国ラウンドとなる今回の北京と10月12日に行われる上海のレースは、8つの放送局で放映される。上海の「Channel Max」(SiTV)、北京の「CSPN Network(「Shandong TV」、「Hubei TV」、「Xinjiang TV」、「Jiangxi TV」を含む)は現地時間にそれぞれ2つのレースを放送する。国営の「CCTV 5」は、毎週放送の「Auto times」でハイライトを放送予定だ。香港の「TVB」とマカオの「TDM」は、翌週にイベントについて放送する。アジアに範囲を広げても、「ユーロスポーツ・アジア」も2イベントを放送。「ESS Fox」は翌週、録画放送する。テレビ放送は全体では186ヶ国、92の放送局で、WTCCの中国ラウンドが放送されるのだ。

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中国モータースポーツ連盟のリン・ジェ副会長と会談するWTCCゼネラルマネージャーのフランソワ・リベイロ氏
WTCC 2014 #9 北京
WTCC一行の万里の長城ツアー

WTCC 2014 #9 北京
シボレーのH.バレンティ
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シボレーのG.モルビデリ

それだけではない。北京ではWTCCレース全体が最高クラスの待遇、ほとんど国賓と同等の待遇となった。WTCCの主要メンバーはなんと人民大会堂に招かれ、中国ツーリングカー選手権の組織委員会と共同で記者会見が行なわれたのだ。北京にある最も重要な施設の一つで会見が開催されるのは、大きな特権で、いかに中国政府がWTCCを重視しているかわかる。中国モータースポーツ連盟の林浩(リン・ジェ)副会長は、80以上のメディアが集まった会見で、「今季から中国で2つのWTCCラウンドが開催されることを紹介でき、我々はうれしく、また誇りに思っている。これは、世界最大の自動車市場となった中国の戦略的重要性を強調している」と語った。

WTCC 2014 #9 北京
中国ツーリングカー選手権出身でWTCCで勝利したシトロエンのマ・チンホアは中国の英雄
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人民大会堂で行われたメディアカンファレンスに出席したマ・チンホア

WTCCからマ・チンホワ、セバスティアン・ローブ、ロブ・ハフが出席し、CTCC代表の3選手も同席。もちろん地元メディアの注目を集めたのは、中国人ドライバーとして初めてFIA世界選手権で勝利を収め中国の英雄となっているシトロエン・レーシングのマ・チンホワだ。彼は「国のファンのサポートに報いることができるよう、最大限のベストを尽くす」と語った。WTCCの主要メンバーやドライバーたちは万里の長城ツアーにも招待され、一行は記念撮影したりと修学旅行のような友好的でリラックスしたムードだった。

WTCC 2014 #9 北京
北京での各車の重量ハンディキャップ

快晴の北京の金門公園サーキットで行なわれた予選では、シボレー・クルーズに乗るトム・チルトンがポールポジションを獲得するサプライズとなった。常勝シトロエン・チームは、イヴァン・ミューラーが3番手、ホセ‐マリア・ロペスが4番手、セバスチャン・ローブは7番手、地元中国のマ・チンホワは14番手だ。チルトンにとってはWTCCで2度目のポールポジション。オーストリアでのジャンニ・モルビデッリに続き、シボレーにとっては今季2度目のポールポジションである。

WTCC 2014 #9 北京
シボレー・クルーズを駆るチルトンがシトロエンを抑え切り、レース1を制した

レース1では好スタートを切ったシトロエンのミューラーが2番手につけトップを狙うものの、ハンデ重量の軽い、しかもシャシーや空力を改良したチルトンのマシンがトップを守り切り、ミュラーは2位でフィニッシュ。ロペスも上位進出をかけアタックを繰り返しまたが、短く狭いサーキットでは追い抜きは難しく、3位に終わった。ローブが5位、パンクを喫したチンホワは15位だった。

WTCC 2014 #9 北京
レース2は、ポールスタートで完璧なレースを行ないラーダのハフが優勝

リバースグリッドで行なわれるレース2ではラーダのロブ・ハフがポールポジションとなる。シトロエンのローブが4番手、ロペスが7番手、ミューラーが8番手からのスタートだ。1周目で3番手となったローブはその後アタックを続けるもポジションを上げることはできず3位でフィニッシュ。ロペスは激しい追い上げで4位まで順位を上げた。そしてポールからスタートしたロブ・ハフが完璧なレースでラーダに勝利をもたした。

WTCC 2014 #9 北京
ラーダ・グランタ1.6Tののロブ・ハフ
WTCC 2014 #9 北京
北京のキャンギャル

ロシア人のチームとしてのラーダの野心的な計画がひっそりとスタートしたのは、2008年のことだった。しかし、その後チームは財政危機に見舞われたが、ラーダ・スポーツは2012年に復帰。2ドライバーとしてWTCC王者の経験を持つハフが参入した。チーム監督で、元ドライバーのビクトル・シャポバロフは感動し、涙を見せた。「我々は長い道のりを経てこの勝利を手に入れた。我々はずっと、ラーダが表彰台の頂点に立てると信じてきた。我々は非常にうれしく思っている。この勝利は、我々をさらに駆り立て、さらなる成功に向けたモチベーションとなってくれるだろう!」

WTCC第9戦 北京 結果

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