2014年11月14~15日、バーレーンで世界耐久選手権・第7戦が開催された。トヨタとポルシェが激しい戦いを演じたがトヨタ7号車が優勝を遂げ、このレースでトヨタ8号車のA.デビッドソン/S.ブミエのドライバーチャンピオンの獲得が決定した。しかしマニファクチャラーズチャンピオンの決定は最終戦に持ち越しとなった。 公式予選では、ポルシェ14号車がポールポジション、20号車が3番手となり、トヨタは僅差で2番手と4番手となった。シーズン後半に入ってからのポルシェは確実に速くなってきていることがわかる。一方、アウディは2号車が5番手、1号車はノータイムとなった。実はアウディは、上海のレース終了後にカーボンモノコックの細部に損傷が発見されたため、このバーレーンのレースウイークの火曜日から金曜日までかけて、サーキットの現場でスペアカーを含めた3台のマシン、ばらばらになったマシンを組み立て、作り直すという作業を行なっていた。1号車は結局、金曜日のフリー走行、予選にも間に合わず、決勝レースがぶっつけ本番となってしまった。 決勝レースは、ポールポジションのポルシェがレースをリード。しかし30分経過した頃、コースがイエローになり、トヨタの2台はすばやくピットインして燃料を補給した。しかしポルシェは給油せずそのまま走りトップを守ったが、1時間が経過した時点でトヨタは8号車がトップに、7号車が2番手となった。1時間半の時点で、トヨタは2トップの8号車がオルタネータートラブルのため、ピットインし、修理のために30分間を費やした。このため7号車がトップに立ち、一方の大きく遅れた8号車はドライバーチャンピオンを獲得するために完走することが目的となった。
ポルシェは、トヨタに何度も迫ったがラップタイムがわずかに遅いため結局14号車が2位、20号車が3位でレースを終えた。アウディは決勝レースは順調で、1号車、2号車ともに最速ラップタイムを記録しており、2号車が4位、1号車が5位に入った。これで、このレースでのトヨタのマニファクチャラーズチャンピオン決定を阻止することができ、最終戦に望みをつなぐことができた。アウディは燃費で苦しんでいるものの、全力でアタックしたときはトヨタを上回るラップタイムが出ることが確認できたことは幸いであったといえる。
なおトヨタレーシングのFIAドライバー選手権獲得は1994年のWRCで獲得して以来のことになる。