2014年11月1日~2日、中国・上海で行なわれた世界耐久選手権・第6戦、上海6時間レースでは前戦の富士6時間レースに続いてトヨタTS040ハイブリッドが1-2フィニッシュを成し遂げ、マニファクチャラーズポイントではトヨタがアウディに29ポイントの差をつけることになった。
予選はこれまでにないほど接戦となった。トヨタとポルシェのラップタイム争いが繰り広げられ、トヨタ8号車はポルシェ14号車と4周平均で1000分の1秒まで全く同じトップタイムとなるという稀な例となったが、同タイムの場合、先にベストラップを記録した方を優位とされるため、ポルシェ14号車が今季2回目のポールポジションとなり、トヨタ8号車は2番手からのスタートに。そして予選3番手はポルシェ20号車、4番手がトヨタ7号車。アウディは5、6番手に終わった。ポルシェはレースごとに進化していることは間違いないところだ。
上海は予選日まで天候はすっきりしなかったが、決勝レースは快晴となり、秋の日差しが照りつける中、スタートが切られた。しかし、スタートしてすぐに後方グループでアクシデントが発生。セーフティカーが9周に渡って導入されたため、トヨタはそのタイミングを逃さず2台をピットに入れ、タイヤ交換と燃料補給を行なった。レース終盤に燃料補給のためピットへ入ることを避ける狙いだ。
この結果、ポルシェがトップに立った。最初は14号車が14周目までトップを守り、その後はペースの速いポルシェ20号車がトップに立ち、33周目までその座を守った。ところが次の周にタイヤがパンクし、ホイールから外れてしまったために低速でピットに戻らざるえず、6番手に落ちる。
これでトヨタ8号車がトップに立ち、ベストタイムを更新しながら6時間レースを走り切った。2位にはトヨタ7号車が入り、完璧な1-2フィニッシュとなった。3位はポルシェ14号車が入った。ポルシェは予選ではトヨタと同等の速さを見せているが、決勝レースではトヨタよりわずかに遅いことを認めている。アウディは4位、5位に終わった。予選からタイトなカーブ、ストレートのスピードのいずれもパフォーマンスを発揮できず、決勝レースは少し改善されたもののストレートのスピードが劣り、本来のポテンシャルは発揮できなかった。
またレース序盤のセーフティカーの時間にもアウディはピットに入ることができず、トヨタに有利となった。ディーゼルエンジンのアウディは燃料タンク容量が少ないためセーフティカーのタイミングで燃料補給ではピット回数を削減することができなかったのだ。
いよいよ残りはバーレーンとサンパウロの2レースとなった。もちろんアウディはマニファクチャラーズチャンピオンの座をあきらめてはいない。残り2戦もトヨタ、アウディ、ポルシェの戦いはまだまだ続く。