【WEC2014】第5戦 富士6時間レース トヨタTS040が独走優勝

WEC 2014  6 Hours of Fuji

2014年10月11日~12日、富士スピードウェイで行なわれたFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間耐久レースで、トヨタ・レーシングはほぼ独走状態で1、2位を独占。日本ラウンドで2012年の参戦以来、3連勝を成し遂げたが、今回のような完璧な勝利は初の快挙といえる。優勝はアンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミの8号車TS040 HYBRID。

WECの予選は、2名のドライバーが最低2回のアタックラップを行ない、2人のベスト2周のタイム、計4周の平均タイムで決勝レースのグリッドを決定するシステムだが、予選ではポルシェが優位に立つも、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミのトヨタ8号車が予選最後のアタックで2番手に0.043秒差の差をつけてポールポジションを獲得し、ポルシェが僅差で2、3番手。アウディは5、6番手となった。やはり直線部の長い富士では、エンジン出力が大きなマシンが有利なのだ。

予選結果
富士6時間レース 予選結果
WEC 2014  6 Hours of Fuji
ライバルを周回遅れにし、独走優勝したトヨタ8号車

WEC 6 Hours of FujiWEC 2014  6 Hours of Fuji

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決勝レースは台風の接近も懸念されたが、幸いにも天気にも恵まれた。ポールポジションからスタートを切ったトヨタ8号車は、1コーナーで後続から軽く追突され3位へと後退したが、1000psで4輪で駆動するトヨタ・ハイブリッド・システム(THS-R)のパフォーマンスにも助けられ、1周目にライバルを抜き返し、首位でストレートを通過した。7号車の中嶋もスタート直後の激しいバトルの中で順位を上げ3位へ躍進。ポルシェ20号車がタイヤパンクのため早めのピットインを行なったこともあり、レース序盤にして2台TS040 HYBRIDが1-2体制を作り、後続との差を広げていった。

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予選ではトヨタに僅差で迫るも、決勝では3、4位となたポルシェ919ハイブリッド

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トヨタの2台をポルシェが追い上げ、さらにアウディが続くというレース展開となり、アウディは2スティント目にタイヤを交換する作戦も採用したが、2スティント目にはラップタイムが低下し、この作戦も奏効せず。長いストレートと狭いセクションが組み合わされた富士は、ガソリンエンジンに比べて非力なディーゼルを搭載するアウディとの相性が非常に難しいコースであることが証明された。一方、ポルシェは直線部でも排ガスエネルギー回収により発電でき、ブーストが得られるためにトヨタに迫る速さを見せ付けたが、トヨタを抜くにはいたらなかった。

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ピットイン2回目でタイヤ交換の作戦を採ったが成功せず、5、6位に終わったアウディR18 etronクワトロ

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こうして、富士スピードウェイに集まった5万1千人の観衆の前で、トヨタはかつてない1-2フィニッシュという最高の結果でチェッカーフラッグを受け、マニュファクチャラーズ選手権ポイントでもアウディを抜いた。アウディは、上海、バーレーン、サンパウロと残された3戦でどのような対策を持って臨むのだろうか?

富士6時間レース結果
富士6時間レース結果
ドライバー選手権ポイント
ドライバー選手権ポイント表
マニュファクチャラーズ選手権ポイント
マニュファクチャラーズ選手権ポイント表

 

FIA WEC公式サイト

COTY
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