2013年11月30日、中東のバーレーンで世界耐久選手権第8戦(最終戦)が開催され、トヨタが予選、決勝レースをともに制し、最終戦でようやく本物の勝利を獲得することができた。
11月29日に行なわれた公式予選では、トヨタの7号車、8号車が最前列を確保した。公開練習ではアウディと拮抗したタイムであったが、予選のセッティングとタイヤ選択がずばりと決まったのだ。7号車のブルツは、このバーレーン・インターナショナルサーキットでのLMP1カーのコースレコードを更新するほどだった。
11月30日、決勝レースは最前列の2台のトヨタTS030が飛び出し、アウディの2台がこれを追走する展開となった。レースはトヨタの7号車がリードする形になったが、約2時間、64周目にトヨタ7号車はエンジンからのオイル漏れがリタイアとなった。このためトヨタの8号車がトップに立ち、アウディ2台の追撃を受けることになったが、なんとアウディ2号車がトランスミッションがトラブルを発生し、リタイアとなる。この結果、トヨタ8号車とアウディ1号車の1対1の戦いになったが、終始トヨタがリードを保つ。
しかもアウディ1号車はレース半ばを過ぎた時点でイエローフラッグ時に追い越しをしたとしてドライブスルー・ペナルティを課せられた。これはアウディ1号車にとっては致命的なタイムロスになり、トヨタに対して1分以上の差がついてしまった。アウディはタイムロスを挽回すべく2スティントでタイヤを交換するという策に打って出たが、2スティント目のラップタイムは落ち込み、万策が尽きていた。
こうして、トヨタにとって今シーズン初めて予選、決勝を実力で制した貴重な優勝を遂げることができた。トヨタ・レーシングにとって初めてのWECフル参戦の今シーズン、マニュファクチャラーズ選手権では142.5ポイントを獲得してランキング2位、優勝2回、3回のポールポジション獲得という結果となった。
なお2014年シーズンに向けて、すでに各チームとも動き始めている。アウディはニューマシンのテストを開始しており、ポルシェの熟成テストも進んでいる。トヨタはチーム体制を変更し、2カーによるフル参戦を企画している。
2014年は3メーカーによる激戦で、今シーズン以上の盛り上がりは必至と期待して良いだろう。