【WEC 2013】第5戦 オースティン6時間レース アウディ、トヨタの接戦

アウディ1号車と接戦を繰り広げるトヨタTS030

2013年9月22日、サーキット・オブ・ジ・アメリカンズ(アメリカ、テキサス州オースティン)で開催されたFIA世界耐久選手権シリーズ(WEC)第5戦・オースティン6時間レースは、アウディR18 e-tronとトヨタTS030の真っ向勝負となった。

公式予選では、アウディ2号車が1分48秒355、1号車が1分48秒617で1-2番手を占め、トヨタ(8号車)は1分49秒696で3番手に着けた。予選タイムは、2名のドライバーの平均タイムで決定されるが、依然としてアウディとトヨタのラップタイム差は1秒ある。

しかし、決勝レースでは、燃料タンク容量の差でアウディの方が給油回数が1回多く、さらにタイヤ交換もアウディはピットインごとに行ない、一方のトヨタは2回のピットインでタイヤ交換をする作戦だ。つまり決勝レースではむしろトヨタのほうが条件的に有利なので、どちらのチームに勝利が転がり込むかはまったく予断を許さなかった。

6時間レースのスタート。アウディ2台がダッシュ

気温28度、路面温度45度、しかも高湿のテキサスの地で決勝レースが始まった、スタートではフロントロウを占めた2台のアウディがリードを奪うものの、6周目には3番手スタートの8号車トヨタTS030ハイブリッドが1号車をかわし2番手へ。この混戦ではアウディ1号車のマルセル・ファスラーは不運に見舞われていた。ファスラーがドライブするスティントで何度か激しいバトルに巻き込まれ、このバトルで危険な運転をしたトヨタ8号車は、レース審査委員会から厳重注意を受けているほどだった。

このバトルによってアウディ1号車はリアディフューザーの交換を余儀なくされるという大きなダメージを負い、さらには接触により電気系統のヒューズにも大きな損傷を負い、ギヤシフトにトラブルが発生した。その後もコースアウト、コース外走行によるドライブスルーペナルティを受けるなど、ハイペースの走行は報われることはなかった。

このためアウディ2号車とトヨタ8号車の1対1の戦いになったが、アウディは1秒速いラップタイムで周回し、トヨタはタイヤ交換と給油回数の少ないことを活かす作戦に出た。このため両車のピットストップごとに順位は入れ替わった。結局この戦いは最後まで続いたが、ラップタイムを落とすことなく走り続けたアウディ2号車がトップでゴールを駆け抜け、トヨタは23.6秒遅れの2位となった。なおアウディは今回の優勝でWECでの100勝目という勝利を飾り、しかも2013年シーズンは無敗である。

FIA世界耐久選手権、次のレースはいよいよ富士スピードウェイで富士6時間が開催される(10月18~20日)。トヨタの雪辱なるか、楽しみである。

アウディチームのドライバーとアウディモータースポーツ代表のウルリッヒ博士(中央)

■オースティン6時間レース結果
1: デュバル/クリステンセン/ マクニッシュ (2号車 Audi R18 e-tron quattro)  187周
2: ブエミ/デビッドソン/サラザン (Toyota)                     +23.617s
3: ファスラー/ロッテラー/トレルイエ (1号車 Audi R18 e-tron quattro)     -1周
4: ベッチェ/ハイドフェルド/プロスト (Lola-Toyota)                  -4周
5: コンウェイ/マーティ /ルシノヴ (Oreca-Nissan)                   -9周

 

FIA WEC公式サイト

COTY
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