2013年9月1日、ブラジルのインテルラゴス・サーキットで開催された世界耐久選手権シリーズ第4戦、「サンパウロ6時間レース」は、予選から好調のアウディR18 e-tronが1-2フィニッシュを飾った。1台で参戦したトヨタTS030はレース序盤に接触事故でリタイアに終わっている。
今回優勝したのはアウディチームの1号車(マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組)だった。レース序盤には2号車がトップに立っていたが、このマシンには不運が襲い掛かってきた。セーフティカーが導入され、2号車のトム・クリステンセンがピットアウトした時にペースの遅いGTカーの後方につくことになり、約30秒ものタイムロスを喫した。
さらに、ピットインしてクリステンセンからデュバルに交代したその時、142周目のピットレーン出口で、右リヤタイヤが脱落するというアクシデントが発生した。これはタイヤ交換時の締め付けミスというアウディチームらしからぬ事態だった。そのためデュバルは3本のタイヤで1周しなければならなかった。さらに、この時脱落したタイヤをマシン後部に搭載したため2回のストップ&ゴーのペナルティを受けてトータルで4周も失う結果となり、ノーミスの1号車の後塵を拝したのだった。
トヨタは、このレースのためにアウディR18と同様にダウンフォースを強化したボディを持ち込んだ。フロントの左右には小型のバットマンフィンを取り付け、リヤウイングの迎え角も大きくしている。予選では昨年より1秒も速いタイムを出したものの2台のアウディに次いで3番手のポジションとなった。
そして決勝では、3番手からサラザンがステアリングを握ってスタートしたものの、レース開始後30分後、25周した時点でコーナーでコントロールを乱したLMP2マシンと接触してタイヤバリヤに衝突してしまった。このダメージは大きく、そのままリタイアとなってしまった。
ウォルフガング・ウルリッヒ博士(アウディモータースポーツ代表)は、「アウディにとって、1~2位を獲得できた素晴らしいレースでした。しかしライバルのトヨタが彼ら自身のミスではない原因によってリタイアしてしまったのは残念で、待ち望んでいた戦いはできませんでした。我々の2 台の車にとっては長時間のタフな戦いでした。彼らは見事なレースをしてくれました。タイヤが外れてしまったり、その影響による結果など不運が2号車を襲いましたが、それでもレースを続けることができました。チャンピオン争いは厳しいものになってきましたが、最後まで戦い続けられることに疑問の余地はありません」語っている。
サンパウロ6時間レース結果
1位 ファスラー/ロッテラー/トレルイエ (Audi R18 e-tron quattro) 235周
2位 デュバル/クリステンセン/マクニッシュ (Audi R18 e-tron quattro) -3周
3位 ビッシェ/ハイドフェルド/プロスト (Lola-Toyota) -5周
4位 コンウェイ/マーティン/ラシノフ (Audi R8 LMS ultra) -13周