【WEC2012】セブリング12時間 第1戦で前年型アウディR18 TDIが1-2フィニッシュ

12時間レースのスタートからアウディR18 TDIがトップグループを形成

2012年3月17〜18日、フロリダ州で開催されたセブリング12時間レースは今年で60周年を迎えるアメリカにおける伝統的なスポーツカー耐久レースだが、今回はFIA世界耐久選手権(WEC)第1戦にもあたるということで例年以上に注目を集めた。 LMP1クラスで最有力のアウディ・チームは、2012年用のハイブリッドマシン、R18 eTronとR18 TDI ultraを投入せず、2011年型R18 TDIの改良型を持ち込んだ。今年のレギュレーションに合わせ、エア・リストリクター径が47.4mm から45.8mm に縮小され、過給圧も3barから2.8barに下げられ、ディーゼルエンジンの出力は約7%の低下になっているという。また燃料タンクも従来の65Lから60Lに減少し、空力特性でアドバンテージを持っているという理由で、15kgの追加ウエイトが搭載されている。とはいえ、参加チームの中で最有力であることを疑う余地はなかった。

このレースには63台が出場し、約半数がアメリカン・ル・マンシリーズ車、残り半分がWECカーだ。LMP1クラスではアウディ以外に、ペスカロロ・ジャッド、ローラ・マツダ、HPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)ARX-03aなどが出場しているが、やはり圧倒的にアウディが優位だ。LMP2クラスでは、HPD・ARX-03b、オレカ・日産、ザイテック・日産など有力チームが顔をそろえている。

アウディは今回のレースに3台を投入したが、序盤からトップグレープを形成し、2号車がトップで、3号車がその直後に着けるという展開でレースは進み、アウディがトップを独占した。しかし、1号車は中盤で電子シフトにトラブルが発生し、大きく後退した。

トップの2号車にぴたりと付けていた3号車は終盤に他車と接触し遅れる。このため2号車がトップで、4ラップ遅れで1号車という順番で終盤を迎えたが、LMP2のホンダHPD・ARX-03bが激しく追撃し、3号車との差は1ラップにまで縮めてきた。しかしHPDはそれ以上は差を縮めることはできず、アウディが1-2フィニッシュを果たした。

優勝した2号車(カペロ/クリステンセン/マクニッシュ組)は一度も他車と接触することもなく、無傷でゴールを迎えている。3、4番手にはLMP2クラスのHPD・ARX-03bが入り、LMP2クラスの優勝を遂げている。

総合3位、LMP2クラス優勝を遂げたHonda Performance Development ARX-03b

このレースにはポルシェ911 GT3 RSRも多数が参戦し、GTE Proクラスでは、フェラーリF458イタリアに次ぐ2位、GTE Amクラスではシボレー・コルベットを抑えて優勝。しかしアメリカン・ル・マン・クラスでは911 GT3 RSRはトラブルやクラッシュ事故のため5位入賞が最上位となっている。

GTE Proクラスで2位入賞したワークススサポートの911 GT3 RSR

セブリング・レースウェイ公式サイト

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