【密着取材】日本カー・オブ・ザ・イヤー2016−2017 10ベストカー試乗会に潜入 本投票直前!選考員の生の声(後編)

2016年11月22日、富士スピードウエイで今年の日本カー・オブ・ザ・イヤー10ベスト試乗会が行なわれた。
AutoProve編集部は投票前の選考委員にインタビューしてきた。選考委員が何を迷い、何を評価し、これからの自動車産業をどうとらえているのか?質問してみた。

後編は桂伸一氏、藤島知子氏、吉田由美氏、ピストン西沢氏、松任谷正隆氏のインタビューを紹介する。

会場となる富士スピードウェイ
会場となる富士スピードウェイ

【密着取材】日本カー・オブ・ザ・イヤー2016−2017 10ベストカー試乗会に潜入 本投票直前!選考員の生の声(前編)はこちら

【密着取材】日本カー・オブ・ザ・イヤー2016−2017 10ベストカー試乗会に潜入 本投票直前!選考員の生の声(中編)はこちら

桂伸一氏
桂伸一氏

桂 伸一(かつら しんいち)
モータージャーナリスト/AJAJ会員
国産車全般から輸入車まで広範囲に試乗してユーザー目線、乗った雰囲気が伝えられるレポートを目指している。乗れて、語れないことには始まらない職種なので、ドライビングスキル向上も含め、幼少の頃からの憧れの職業であったレーシングドライバーを目指し、実現した。ただし、その肩書きは、近年、ドイツ・ニュルブルクリンク24時間レースでのみで、と但し書きの必要だが、海外メーカーに対しては、ニュルでのレース経験というだけで、一目置かれる。 それは海外メーカー首脳陣、社長はもとより開発の現場に携わる者すべてが、実に高いドライビングスキルの持ち主だから、ジャーナリストにも本物の腕が問われていることは彼らと話して実感した。

▼今回のCOTYに対して全体的な印象いかがですか?

国産車の低下が気になります(台数が少なく低調)。

▼気になる車種&気になる点はありますか?(最終投票前ですが)

日本車アピールがしたいので10点は日本車に入れたいなと。
プリウスは今までの全シリーズ乗ってきたんですけど、実は今回のは買わなかったんですよ。。。
そうなるとインプレッサかなと。
日本は2、輸入は3という比率で選ぼうと思ってます。(投票する内容)喋っちゃった(笑)

▼今後の自動車業界展望、COTYの役割ついて思うこと頂けますか?

様々な賞がある中でCOTYはプロによる投票であるから信憑性がある。
しかしどこにどう票を入れるかとても悩む。
例えばワールドオブザイヤーはジャンル分けされていてそれぞれの1番を決めるので、
COTYも細分化すべきです。それぞれ違うからベスト1は絞れないですよ。

藤島知子氏
藤島知子氏

藤島 知子(ふじしま ともこ)
モータージャーナリスト/AJAJ会員

幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。 現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。

▼今回のCOTYに対して全体的な印象いかがですか?

プラットフォームが新しいクルマが出てきた。しかもプリウスのような量販のクルマで!
基本レベルがアップしてきたように思います。

▼気になる車種&気になる点はありますか?(最終投票前ですが)

ミニバンのフリード、セレナは進化しているなと思うし、
輸入車は、エモーショナルだから、正直迷います。

▼今後の自動車業界展望、COTYの役割ついて思うこと頂けますか?

安全面の進化、予防安全技術はすごい。
フリードとかも、ホンダセンシング使ってますし。
自動運転技術は今後注目ですね。

吉田由美氏
吉田由美氏

吉田 由美(よしだ ゆみ)
カーライフ・エッセイスト

公式プロフィール(エクステンション)

短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオ、web、女性誌、一般誌、講演会やトークショー、イベントなど広く活動中。いくつかのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は1日約20万アクセスの人気を誇る。 ・日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 ・日本ボートオブザイヤー選考委員

▼今回のCOTYに対して全体的な印象いかがですか?

バランスが良いなという印象。
ジャンルがそれぞれ散らばっていて、悩みます。

▼気になる車種&気になる点はありますか?(最終投票前ですが)

2016を振り返り、代表するクルマが選ばれてほしい。
良くも悪くも、2016らしいクルマがいい。華があって、インパクトのあるものがいい。

普段のクルマえらびは、’私の’という意味で’I”ですが、カーオブザイヤーでは、
‘私たちの’という意味で’weのクルマえらびをしたいと思います。
私の名前は「由美」なので、you&me。あなたも私も幸せになれる、
私らしい愛(I)のあるクルマをえらびたいと思います。

▼今後の自動車業界展望、COTYの役割ついて思うこと頂けますか?

今後はクルマと人との付き合い方が変わると思う。
時代にあったクルマ選びが大事になってくる。
時代に追いついた感覚でクルマを選ぶことが求められますよね。
もちろん自分の中で軸になる基準はありますけど、そういうのが大事。

ピストン西沢氏
ピストン西沢氏

ピストン 西沢(ぴすとん にしざわ)
DJ

ラジオ番組のDJやクラブでのDJ、さらに音楽制作者としてのDJという本業の傍ら、10年以上もモータースポーツに勤しむ自動車趣味人間。 自動車の新技術は勿論、ドラテクやレーサーの肉体的、精神的専門領域に深く興味を持っている。モータースポーツ系のイベントにも多数出演。 主なレギュラー番組はJ-wave[groove line 月〜金16:30〜20:00]

▼今回のCOTYに対して全体的な印象いかがですか?

自動運転技術に、ハイブリッド、スポーツカー。
バランスの良い「10ベストカー」ですね。

▼気になる車種&気になる点はありますか?(最終投票前ですが)

バラバラで、それぞれに注目点がある。
どれもそれぞれ良いところがあって悩む。

▼今後の自動車業界展望、COTYの役割ついて思うこと頂けますか?

評価基準=COTYになるといい。信頼ある評価基準が良い。
クルマは造った時、造った工場の人たちには何が良いものになるかはわからない。
造ったものを振り返り、まとめる存在であるといい。
COTYの結果は車社会とお客さんにとって参考になるようなものがいい。
「COTYに選ばれたから売れた」そういうのがいい。

松任谷正隆氏
松任谷正隆氏

松任谷 正隆(まつとうや まさたか)
音楽プロデューサー/モータージャーナリスト/AJAJ会員

1951年東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒。クルマ好きが高じて、80年代の半ばから車の番組に携わるようになり、90年代の半ばから選考委員に加えていただいています。03年からはAJAJの会員でもあります。職業柄、広く、深く取材できないことから、どこか自分の能力を生かして・・・と考え、行き着いた先は「感性」という部分でした。実際には、音、振動、揺れ、反応速度など、自分なりの見解を積み上げてきました。個人的なCOTYの選考基準としては、まず「今現在、意義のあるクルマ」というのが第一。次に「完成度の高さ」でしょうか。ちなみに「楽しさ」は5番目くらいです。

▼今回のCOTYに対して全体的な印象いかがですか?

過渡期、かなと。。。

▼気になる車種&気になる点はありますか?(最終投票前ですが)

選考はどこに軸を置くかで変わると思います。
完成度だとか、テクノロジーだとか、あるし。
10点は決められていないですね。難しいなあ。

・熟成のプリウス
・才能のインプレッサ
・チャレンジングなセレナ
・絶対なメルセデス
・ジャガーらしいF-PACE
・どうしたのボルボ(いい意味で=作り直し)

といったところ。

▼今後の自動車業界展望、COTYの役割ついて思うこと頂けますか?

去年テスラを買ったが、モデルXは生産台数が基準に満たず選ばれなかったんですが。。。

新しい将来、間違いのないものを選びたいです。
たとえ未完成でも選ばれるべきですよ。
=選考基準、レギュレーションに漏れてしまったものでも
良いものがあるから評価されるべきな役割に期待。

【取材所感】

COTYの選考委員の方々とのお話を通して、
デザイン、機能、運転する楽しさなど、クルマの持つ魅力を再確認することができた。

何名かの話にあった「時代とクルマ」というキーワードが非常に印象的で、
日本車の安全性能・自動運転技術の向上など、
今回の10ベストカーには時代が求めているものが顕著に表れているように感じる。

それぞれセグメントの異なる魅力を持つクルマが選ばれたということからも、
クルマと人との関係性の可能性の広がりを感じた。

今後は自動車自体も消費者ニーズも多様化が予想される。
選考方法や賞典の内容も変化していくべきか、大きな過渡期であり、それに対応していくことが必要だ。
COTYも時代の変化についていかなくてはならないという選考委員の声も多く聞かれた。

【COTY(カー・オブ・ザ・イヤー)について】

日本カー・オブ・ザ・イヤーは今年(2016年)で37回目を数え、選考委員は、独自の選考基準でクルマを評価する方法で続けられている。それは個体の性能やユーザービリティだけでなく、自動車産業や自動車工学まで視点を広げたジャーナリストもおり、選考委員ごとにさまざまな視点や価値観で採点されているというのが特徴のひとつだ。それだけに、それぞれのレーダーチャートが真円に近い、つまり総合的に「もっとも魅力的であるモデル」が選ばれることになる。

ちなみに、部門賞はスモールモビリティ、エモーショナル、イノベーションの3賞と実行委委員が選考する実行委委員特別賞、そしてインポートカー・オブ・ザ・イヤー(輸入車が本賞を受賞した場合は授賞はない)と日本カー・オブ・ザ・イヤー賞の全部で、6つの賞典がある。

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