2016年11月22日、富士スピードウエイで今年の日本カー・オブ・ザ・イヤー10ベスト試乗会が行なわれた。この試乗会は選考委員のための最終確認という意味を含めた試乗会だ。例年になく暖かい陽気の中、10ベストに選ばれた10台は、59名の選考委員によって、一日をかけ確認試乗が行なわれていた。投票結果は12月9日、公式HPで公開される。
AutoProve編集部はそのFSWへ取材に行き、投票前の選考委員にインタビューしてきた。選考委員が何を迷い、何を評価し、これからの自動車産業をどうとらえているのか?質問してみた。
編集部として注目したのは、自動車ジャーナリストそれぞれがどんな視点で評価したのか?という点だ。そこからすると、クルマ造りが大きく変化している時代であることを敏感に感じ取り、評価ポイントも変わってきていることを言っている。また、日本車全体に元気がないという意見が多く、反面、日本車の中心的なマーケットが海外であることを踏まえると、「日本車」という概念がなくなるのもそう遠くないような気もした。
今回、編集部は12名の選考委員にインタビューを行なった。
前編は清水和夫氏・佐藤久実氏のインタビューを紹介する。
清水 和夫(しみず かずお)
モータージャーナリスト
1954年生まれ東京出身 武蔵工業大学電子通信工学科卒。 1972年にモータースポーツを始め卒業後プロのレースドライバーとなる。その後、モータージャーナリストとして活動を始め、自動車の運動理論や安全技術を中心に多方面のメディアで執筆・講演活動を行う。ITS、燃料電池車、環境問題に留まらず各専門分野に整合した総合的に国際産業自動車産業論を論じるようになる。TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。2009年はNEDOの『革新的次世代低公害車』の委員も務めている。 自動車専門誌「Carトップ」「モーターマガジン」「ENGINE」「GENROQ」などで連載中。
▼今回のCOTYに対して全体的な印象いかがですか?
(判断基準には)左脳と右脳があって。
左脳が「理屈・大義」、右脳が「直感」
自分は比較的右脳重視ですね。
▼気になる車種&気になる点はありますか?(最終投票前ですが)
プリウスとインプレッサ。
新プラットフォームで、大義ではツートップかな。。。(COTY的にはということでは)
自動運転技術のメルセデスEクラスも同様に気になるし、
124アバルトは直感として良いねえ。
SUV のボルボは大きい。
コンパクトなミニバン、フリードも気になりますね。
日産 セレナも、Eクラスに続いて自動運転技術で評価できます。
アウディA4、F-PACEなども今までになくエコですよね。
※AP編集部:全部気になるようですね。。。
▼今後の自動車業界展望、COTYの役割ついて思うこと頂けますか?
西高東低な印象。西は西洋、東は日本。
日本車の7~8割は海外マーケットであり、日本国内では軽自動車とハイブリッドだよね。
トランプ当選したけど、格差社会はどうなるかなって感じ。
日本はクルマのカルチャーが見えてこないんだよね。
理想は西高東低の真ん中、ちょうどいいところ。
今までにはないクルマが求められるかな。インプレッサ、プリウス あとマツダ含めて頑張ってほしいなあ。
佐藤 久実(さとう くみ)
モータージャーナリスト
大学在学中にレースデビュー。耐久レースをメインに活動。ニュルブルクリンク24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースなど海外の24時間レースでも入賞を果たす。 レースで培ったスキルをベースに、ドライビング・インストラクターとしても活動。ホンダ・ドライビング・ミーティング、ポルシェ・ドライビング・スクール、BMWドライバートレーニング、VWエコドライブトレーニング、ブリヂストン・タイヤセーフティ・ドライビングレッスンなどでインストラクターを務める。 レーシングドライバーとしてのホットな目、ジャーナリストとしてのクールな目、そして女性目線からクルマを評価、自動車専門誌への執筆をはじめWEBやテレビでも活動。 東海大学工学部動力機械工学科非常勤講師、芝浦工業大学特別講師。
▼今回のCOTYに対して全体的な印象いかがですか?
やっぱり今年は輸入車が元気ですね。
▼気になる車種&気になる点はありますか?(最終投票前ですが)
気になる車種、選考基準は切り口次第です。
セグメントごとにどれも魅力的なので悩んでいます。
▼今後の自動車業界展望、COTYの役割ついて思うこと頂けますか?
時代に応じてクルマに求められるものは変化していくものだと思います。
時代に乗ること、乗っていくことが大事なのではないでしょうか。
【密着取材】日本カー・オブ・ザ・イヤー2016−2017 10ベストカー試乗会に潜入 本投票直前!選考員の生の声(中編)に続く。
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