2018年5月23日〜25日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」に出展されたブースから、主な展示を紹介していこう。
※参考:
過去最多の597社が出展「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」まとめ(その1)
過去最多の597社が出展「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」まとめ(その3)
■コンチネンタル
コンチネンタルは、今回は樹脂など化学素材を担当するコンチテック部門から、複合樹脂製のサブフレームやマウント類など軽量化のためのプロトタイプが初展示された。今後の電動化車両などを見据えた軽量部品の実現の一つの提案だ。
また現在開発中のLiDAR(ライダー:レザースキャナー)も初出展された。現在は各社が開発を競っているが、より高性能かつ、低価格化を実現できるかがポイントだ。
■AVL
オーストリアに本拠を置く、自動車関連の技術開発エンジニアリング会社のAVLはヨーロッパはもちろん、中国でも自動車開発の主力ブレーンとなっている。そして日本でも存在感を高めつつあり、神奈川県・川崎に新設した開発センターでは、既に日本の自動車メーカーのエンジンの受託開発を行なっている。
今回は、次世代技術のショーケースとして、モーター内蔵トランスミッション、48Vハイブリッドの試作車、さらに1.75Lの4気筒ガソリンエンジンをベースにした高出力エンジンが出展された。
このエンジンは、専用ピストンやクランクシャフトなど内部部品、インジェクターや燃焼システムなどもすべてAVLが設計、試作。ツインターボ、48V電動スーパーチャジャー、水噴射などを駆使し、474ps/8000rpm、422Nm/7000pmを発生する。燃圧は350bar、水噴射は7barで行なうという。
このエンジンはすでにポルシェ・ケイマンに搭載され、実走行テストも行なっている。AVLに委託すればハイブリッドでも、スポーツカー用の高出力エンジンの開発も可能というわけだ。
■東レ
樹脂素材、カーボンファイバーなどで自動車産業をサポートしている東レは、スーパーGT選手権のGT500に採用されているカーボン製マザーシャシーやカーボン製品、さらに衝撃吸収用の複合樹脂などを出展した。
■シェフラー
シェフラーは、既に日本車のエンジンに採用されているダンパー付きフライホイール、ベアリング、スイッチ式HLA、電動機械式可変スタビライザーなどからハイブリッド・トランスミッション、電動機械式車高調整装置などをラインアップしていた。
シェフラーの電動機械式スタビライザーもユニークだが、さらにユニークなのが電動機械式車高調整システムだ。モーターとボールねじを組み合わせた車高調整システムで、応答速度は空気式より速く、正確に車高コントロールを行なうことができる。大型SUV向けだがすでにこのシステムを採用したアウディQ7などが市販化されている。
なお、「人とくるまのテクノロジー展2018」は、横浜での開催に続き、7月11日〜13日に名古屋でも開催される。会場はポートメッセ名古屋(名古屋市国際展示場)で開催される。
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