モロッコ・マラケシュ2022年7月2日(土)エドアルド・モルタラ(ROKiT Venturi Racing)は、マラケシュE-Prixにおいて、DS TECHEETAHのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとジャン・エリック・ベルニューからの激しいプレッシャーを受けながらも優勝し、ドライバーズ選手権で首位に立った。
予選では今季好調のメルセデスEQチームの2台がグループ予選落ちをする波乱があった。ヴァンドーンはブレーキバランスが悪いといい、簡単にフロントタイヤがロックしてしまうという。そのためデュエルスには進出できなかった。
グループAはトップがモルタラ、2番手に久しぶりのキャシディ(envision versin racing)、3位ジェイク・デニス(AVALANCHE ANDRETTI)、4位オリバー・アスキュー(AVALANCHE ANDRETTI)で、アンドレッティから2台揃ってデュエルスに進出した。また、日産の2台はセバスチャン・ブエミが6番手、マキシミリアン・ギュンターは10番手でやはりデュエルスには進出できなかった。
グループBではDSテチータの2台が好調で、トップはダ・コスタ、2番手ヴェルニューのコンビ。3番手にパスカル・ヴェアライン(TAG HEUER PORSCHE)、4番手ミッチ・エバンス(JAGUAR TCS RACING)の4台がデュエルスに進出した。
デュエルスの決勝ではダ・コスタとモルタラの戦いになり、ダ・コスタがポールポジションを獲得した。以下、モルタラ、ヴェルニュー、ヴェアライン、デニス、エバンスという順で決勝レースを迎えた。
決勝ではポールポジションからスタートしたダ・コスタは、序盤のアタックモード中にモルタラに遅れをとり、レース中盤以降はモルタラのマシンを追いかける展開に。しかし、モルタラを、追い抜くことができず、モルタラはそのままトップでチェッカーを受け、今季3勝目、そしてランキング首位となった。
ベルニューは終盤を2位で迎え、途中チームオーダーでダ・コスタが3番手に下がるものの使用可能エネルギーが2%になったところでヴェルニューは熱マネージメントが厳しく、再びダ・コスタを2番手にした。その結果ヴェルニューは最終ラップにエバンスにもかわされ4位チェッカーとなった。
一方同じタイトル争いのエバンスは、グリッド6位から最終ラップでベルニューに襲いかかり、3位と重要なチャンピオンシップ・ポイントを獲得して表彰台に上った。
気温33度の猛暑の中、ドライバーとエンジニアは、バッテリーとパワートレインに30kWを供給することが長期的に効率的で効果的であると考え、2回のアタックモードによるブーストを早めに行なうことを選択。その中で、ルーカス・ディ・グラッシ(ROKiT Venturi Racing)は5位に入り、チーム・ワールド・チャンピオンシップをリードするチームにとって重要なポイントを獲得した。
ヴァンドーンは予選20番手から12ポジションアップし、8位でフィニッシュ。サム・バード(JAGUAR TCS RACING)は9位、序盤に2位を走行していたオリバー・ローランド(MAHINDRA RACING)は10位でポイント獲得圏内に残った。
この結果、モルタラはドライバーズ選手権で11ポイントのリードを築き、ベルニューが2位、ヴァンドーンが3位となった。エバンスはモルタラに15ポイントの差をつけており、トップ4は後続を大きく引き離し、残り6レースで4人のドライバーによる一騎打ちが行われることになった。
次回は7月16日、17日に開催されるABB FIAフォーミュラE世界選手権の第11戦、第12戦ニューヨークE-Prixだ。ブルックリンのレッドフック地区を舞台に、マンハッタンのスカイラインを背景にしたダブルヘッダーが開催される。
シーズン8の最後には、7月30日と31日にロンドンE-Prixが開催され、8月13日と14日に韓国で開催されるソウルE-Prixでチャンピオンシップのクライマックスを迎える。