フォーミュラEシーズン7第2戦 ジャガーへ移籍のサム・バードが勝利

フォーミュラEシーズン7第2戦は、開幕戦の翌日、同じサウジアラビア・ディルイヤーで開催された。開幕戦同様のナイトレースで、2戦連続のナイトレース。そして無観客での開催だ。また、シーズン7より世界選手権レースへと昇格しての開催である。

ナイトレースならではの演出。スポットライトでフロントローの2台が浮き上がる

開幕戦ではメルセデス-EQチーム、および同じパワートレーンを採用するロキット・ヴェンチューリの速さが際立ち、またシーズン6のマシンをスライド採用したチャンピオンチームのDSテチータ、日産、ドラゴン・ペンスキーが遅れをとる結果になった。

第2戦も同じ場所、同じナイトレースという条件からも、同様の展開が予測されたが、フリー走行でヴェンチューリのモルタラ選手がストレートエンドで、ブレーキが効かず緩衝材に衝突するというショッキングな事故が起きた。幸いモルタラ選手に怪我はなかったものの、モルタラ選手から「ブレーキが効かなかった」というコメントを受け、プログラムエラーが想像でき、同じパワートレーンを使うメルセデス-EQとロキット・ヴェンチューリの4台のマシンは予選に出走できなかった。

また、日本でも活躍しタグホイヤー・ポルシェで走るロッテラーもクラッシュがあり、予選を走れず決勝は最後尾(ピットから)スタートになった。こうした有力チームが走らない予選になり、開幕戦とは全く異なる顔ぶれで第2戦が始まることになった。

ニック・キャシディの順応性の高さが伺える。まだ2戦消化だが常に上位に入る活躍を見せる

一方、注目は昨年まで国内のスーパーGT500でトヨタスープラを走らせていたニック・キャシディがアウディのサテライトチームエンビジョンヴァージン・レーシングで参戦していることにも注目だ。開幕戦でもキャシディの速さはひかり、一時予選トップかと思われるシーンもあったが、イエロー中だったことがあり、タイム抹消になっている。が、速さは間違いないことが証明できたわけだ。

予選結果

予選では、そのキャシディのチームメイトでエースのフラインスがポールポジションを獲得。優勝経験はあるものの、ポールポジションは初であり、今季投入したアウディの新型マシンの性能が好影響しているのは間違いない。またこのエンビジョンヴァージン・レーシングは本家アウディよりも上位を走るケースも多く、チーム力といった総合力が高いチームと見ることができる。

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予選2位がセッテ・カマラ。ドラゴン・ペンスキーだが、昨年日本のスーパーフォーミュラに初参戦し、開幕戦でポールを獲るという鮮烈デビューをしている。そのブラジル人ドライバーのセッテ・カマラは、シーズン6のマシンでありながら2位を獲得した。チームメイトのミュラーは6位をゲットしている。

そして3位が今季エンビジョンヴァージン・レーシングからジャガーへ移籍したサム・バードが獲得。レース巧者であり、シーズン1から参戦するベテラン。しかもアグレッシブな走りは印象的で、シーズン6ではロッテラーを後方からプッシュする衝撃シーンもあるエキサイティングなドライビングをする選手でもある。

そして4位は、驚くことに中国のフォーミュラEチーム、NIO333のオリバー・ターベイ。ターベイ選手は国内でも走行し、実績あるドライバーだが、いよいよ中国マシンが上位に進出してきた印象だ。シーズン6までは最後尾が定位置だったNIOだが、今季のニューマシンはこれまでと全く違うとターベイ選手も語っている。そしてチームメイトのブロンクイストも5位に入り、NIOの速さは本物だろう(まだ懐疑的)。

シーズン6のチャンピオンチームDSテチータは、過去シリーズチャンピオンを2回獲得しているヴェルニューが7位に入り、昨年のチャンピオン、ダ・コスタが9位。そしてニック・キャシディは10位に入る健闘をした。

日産のセバスチャン・ブエミ。次期パワートレーンが次戦から投入され、上位進出が期待される

日産のブエミとローランドはブエミが8位でローランドが13位からのスタート。他に開幕戦で速かったアウディのレネ・ラスト、サム・バードのチームメイトミッチ・エバンスの二人は、予選タイムアタック開始の締め切り時間に間に合わないミスを犯し、18位、19位に沈んだ。そしてポルシェのヴェアラインも16位と振るわなかった。

あたかもリバースグリッドのようになった予選結果だが、これは予選方式が影響し、ダスティなサウジアラビアのコースで4グループ予選のうち、早い組はそのダスティな路面状況で走らなければならない。だから後半のチームほど有利になる。そして走行順はランキング順のため、グループ1はトップチームであり、グループ4は下位チームになる。その結果、こうしたリバースグリッド的な予選結果になることもフォーミュラEの面白さだ。果たして決勝は荒れるのか注目したい。

日産のオリバー・ローランド。シーズン6のマシンでも上位に入る速さがある

決勝レース

スタートはフラインスがホールショットを決め、バード、カマラ、ターベイ、ブロンクイスト、ミュラー、ヴェルニューという、これまであまり目にしたことのないラインアップで周回を重ねることになる。

スタート直後。フラインスがホールショット。インにセッテ・カマラ、アウトからサム・バードが襲う

しかしブロンクイストはドライビングミスで順位を下げるなど、フォーミュラEの難しさを露呈する。次第に、ヴェルニュー、ダ・コスタなど実力者が上位に迫る展開へと変わっていく。

レース中盤から後半にかけてアタックモードを使った勝負もあり、順位の入れ変わりが始まる。トップのフラインスと2位のバードもこのアタックモードの使い方でトップ争いが激しくなり、エキサイティングなレースとなった。

およそ半分を過ぎたあたりで、フルコースイエローがあり、アタックモード中だったフラインスにとっては、その235kWに出力アップしたパワーが無駄になる最悪のタイミングになってしまう。そしてレース中4分間使えるアタックモードを2回使い切らないといけないレギュレーションがあるが、使い切っていないのは2位のバードと3位のヴェルニュー。

その後バードはアタックモードを使いフラインスを追走し、トップを奪った。またヴェルニューはアタックモードが使えないほどの接戦になっていたが、そうした状況で運悪くFCYからSCへと変わり、レースはそのまま終了してしまった。

バードは念願のシリーズタイトルが獲れるか

トップはバード、2位フラインス、3位ヴェルニューでゴールとなり、表彰式も行なわれたが、レース後の審議で、アタックモードを1回残していたヴェルニューは降格となり、4位のダ・コスタが3位という結果に変わった。

またレース中のファステストラップはアウディのレネ・ラストが獲得しており、今季、メルセデス-EQとアウディの戦いが激しくなると予測できる。そこにジャガーとNIOがどのようにからみ、そして第3戦から新型パワートレーンが投入される日産、DSテチータとの争いが展開されることになるだろう。

第3戦は少し間が空き、4月10日イタリア・ローマで開催される。

レース結果


The Mortor Weekly

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