ソニー・ホンダモビリティは2025年1月6日、CES 2025の開幕直前に「AFEELA(アフィーラ)」ブランドとして販売する最初のモデル「AFEELA 1」を発表し、アメリカ市場でのオンライン予約受注を開始した。
AFEELA 1は、装備やカラー設定の異なるOrigin(オリジン)、Signeture(シグネシャー)という2機種展開で、価格は3年間無料サブスクリプションを含む8万9900米ドル(約1417万円)からと発表した。
オンライン予約受注は全額払い戻し可能な予約金200米ドルで、1月6日から受注受付を開始している。なお、現時点ではAFEELA 1の詳細スペックなどは発表されていないが、7日から正式開幕するCES 2025の発表会で公表される見込みだ。
AFEELA 1は、アメリカ・オハイオ州にあるホンダの最先端工場で生産され、カリフォルニア州における2025年内の正式発売と2026年中旬の納車開始を予定している。
AFEELA 1には、先進運転支援システム(ADAS)、モビリティとのコミュニケーションを可能にする対話型パーソナルエージェントが搭載されている。室内には多彩なアプリやエンタテイメント・コンテンツを楽しめる独自の高音質サウンドシステムとディスプレイが、それぞれのシートに応じて最適に配置されている。
なお先進運転支援システム(ADAS)は、40基のセンサー(カメラ、LiDAR、レーダー、超音波センサー)により周囲をセンシングしてデータを収集し、最大800TOPSの計算能力を持つ電子制御ユニット(ECU)を駆使し、AI技術によりPerception(認識)、Prediction(予測)、Planning(行動計画)の各工程を経て高度な運転支援を提供する。
このため出発地点から目的地点での駐車まで、エンド・ツー・エンドの経路でドライバーの運転負荷を軽減。また常時モニタリングしている周辺環境および運転状況は、Unreal Engine(エピック社製ゲーミング・エンジン)によりビジュアル化され、ADASビューやマップとしてディスプレイに表示される。
対話型パーソナルエージェント「AFEELA Personal Agent」は、自然な対話を通じて様々な車載機能を音声でコントロールできるだけではなく、エージェントとの会話を楽しんだり、行動計画の提案を受けたりすることもできる。ドライバーに合わせてパーソナライズされた、エージェントからの能動的なコミュニケーションが、移動時間と室内空間に快適さとエンタテイメントとなる。
車内のエンターテイメントは、「Mobility as a Creative Entertainment Space」をコンセプトに設計されている。乗る人それぞれのシートに最適化された独自の高品質サウンドシステムとディスプレイで、エンタテインメントパートナーの提供する多彩なアプリやコンテンツを楽しむことができる。
ソニー・ホンダモビリティ独自のノイズキャンセリング技術・知見を融合させた圧倒的な静粛性と最適に配置されたスピーカー、そしてソニーの立体音響技術(360 Spatial Sound Technologies)を駆使して没入感のある音場で高品質なオーディオ体験を提供する。
なお今後も、社外のクリエイターやデベロッパーとのコラボにより、走行&車両データを活用したモビリティならではのエンタテインメント創出にも取り組むとしている。
ダイナミクス性能は、ドライバーとの一体感を追求して設計されており、ロボティクス技術による姿勢制御を応用してモーター、ブレーキ、サスペンションを統合的に制御。様々な路面環境でも最適な乗り心地と軽やかなハンドリングを提供する3Dモーションマネジメントシステムや、車内エンタテインメントに集中できる遮音・制振性能を搭載し、乗る人すべてに上質な室内空間としている。
エクステリア、インテリアは、斬新さを求めず、調和のとれた普遍性を追求したデザインとなっている。エクステリアは、装飾的な線や誇張された面の抑揚を徹底的に削ぎ落としたシンプルなフォルムとしている。
インテリアは車室をを包み込む「オーバル」をコンセプトし、上質な移動空間を追求した洗練されたスペースとしている。また内装、トリムには原料の一部に植物由来原料や再生材を使用する高品質な機能性素材を約70%採用している。その他にボディパネルやこれまで難しかったシャシーの一部にも再生素材を使要している。
もちろんAFEELA 1はソフトエアディファインドビークル(SDV)になっており、無線通信により機能改良やソフトウエアのアップデートが可能となっている。
車種展開では、2機種ともにAFEELA Intelligent Drive(ADAS)、AFEELA Personal Agent、エンタテインメント・コンテンツ、車両をデジタルでカスタマイズできる様々なテーマセットおよび5Gデータ通信を3年間無料のサブスクリプションで利用できる。
価格は、Originが8万9900米ドル(約1417万円)から。Signatureが21インチホイール、リヤエンタテインメントシステム、C-CMS(センターカメラモニタリングシステム)を装備し、10万2900米ドル(約1622万円)からとなっている。
なお、価格については現在は為替が円安のため、日本円換算ではきわめて高価に感じられるが、アメリカ市場価格としてはプレミアムカー・クラスと同等の価格設定で、メルセデスEQEより少し高く、EQSセダンよりは安く設定されている。
エクステリアカラーは、「Tidal Gray」、「Calm White」および「Core Black」の3色展開。Signatureでは、エクステリアカラー3色と「Black」および「Gray」のインテリアカラーから自由なコンビネーションが選択可能となっている。
充電は、テスラ社のスーパーチャージャーネットワークが利用できる。航続距離はアメリカ仕様では最大300マイル(約482km)を目標に開発中だ。また、購入後も長く利用できるようにサポートサービスも構築するとしている。
日本仕様の発表、日本市場での納車開始は2026年内が予定されている。