2017年5月24日、自動車技術会は第67回自動車技術会賞の受賞者を決定し発表した。自動車技術会賞は、1951年に自動車工学、自動車技術の向上発展を奨励することを目的として設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績に対し授賞している。なお授賞式は「2017年自動車技術会春季大会」会期中に行なわれた。
■技術貢献賞
・高効率巻線を用いたオルタネータ、主機モータ等の環境製品の実用化への貢献:石川博章氏(デンソー)
・エンジン開発、燃料電池開発を通じて自動車技術、社会に貢献:増田義彦氏(豊田中央研究所)
・自動車の研究開発に長年従事し、視認性や衝突安全に関する技術開発に貢献:山中旭氏(三菱自動車)
■浅原賞学術奨励賞
・自動車周りに発生する縦渦による誘導抵抗の予測:外館直樹氏(スズキ)
・DYC(Direct Yaw-Moment Control)と操舵支援による人間機械協調型運転支援システムに関する研究—経路追従走行における高齢ドライバへの支援効果—:井上慎太郎(トヨタ)
・モデル予測に基づく目標修正アルゴリズムのエンジン吸排気制御への応用:白井隼人(トヨタ)
・レーザースクリューウェルディングの車両開発:是石智正氏(トヨタ)
■浅原賞技術功労賞
・自動車空調分野の学術的活動と研究への貢献:松永和彦(いすゞ)
・エンジントライボロジー現象解析を通じ、エンジン部品の低摩擦化技術の開発:志村節氏(トヨタ)
■論文賞
・主成分モード分析による車体主要振動モードの把握:望月隆史氏(エステック)
・急速圧縮膨張装置でのノッキング特性に及ぼす燃料性状の影響:田上公俊氏、地本大秀氏、木村貴憲氏、橋本淳氏、嶋田不美生氏(大分大学)
・小ボア径ディーゼルエンジンの噴霧設計に関する理論的研究:稲垣和久氏、水田準一氏、井戸田芳典(豊田中央研究所)、高田倫行氏、橋詰剛氏(トヨタ)
・壁温スイング遮熱法によるエンジンの熱損失低減:脇坂佳史氏、堀江俊男氏(豊田中央研究所)、川口暁生氏、西川直樹氏、山下親典氏(トヨタ)
・Reduction of Diesel Knock Noise by Controlling Piston Vibration
Characteristics:神田靖典氏、森恒寛氏(マツダ)
・ステア特性を好適とする前後運動制御に関する基礎的検討:山門誠氏(神奈川工科大学)、印南敏之氏(日立オートモーティブシステムズ)、長塚敬一郎氏(日立オートモーティブシステムズ・ヨーロッパ)
・Development of Fracture-split Connecting Rods made of Titanium Alloy for
Use on Supersport Motorcycles:久保田剛氏、土居航介氏、村上剛氏、三浦徹氏、小島勇輝氏(ヤマハ)
・統計的手法を用いたリモートレーザー溶接のインライン品質保証技術の開発:中島佐知子氏、福西篤志氏、落合大氏(トヨタ)
・装飾クロムめっき腐食に及ぼす融雪剤と土壌成分の影響解析:梶山優子氏、森元秀氏、中村昌博氏、杉本剛氏、尾畑敏一氏(トヨタ)
■技術開発賞
・新しい価値を提供する新小型クリーンディーゼルエンジン:森永真一氏、志茂大輔氏、高松宏志氏、大西毅氏、平林千典氏(マツダ)
・環境対応車向け電子制御ブレーキシステムの開発:西尾彰高氏、増田芳夫氏(アドヴィックス)、酒井朗氏、岡野隆宏氏、神谷雄介氏(トヨタ)
・熱可塑性CFRPスタンパブル材料及びその適用部品燃料電池スタックフレーム:林浩一郎氏、池田光希氏、外薗清志氏、片平奈津彦氏(トヨタ)、木本幸胤氏(東レ)
・世界トップクラスの低燃費を実現したHV用リチウムイオン電池の開発:佐藤広一氏、秋田宏之氏、永井裕喜氏、高橋泰博氏、棚橋隆幸氏(トヨタ)
・燃焼室壁温スイング遮熱によるエンジン冷却損失低減技術の開発:川口暁生氏、西川直樹氏、山下親典氏(トヨタ)、脇坂佳史氏、清水富美男氏(豊田中央研究所)
・フロントフード下への搭載を可能とした、新型自動車用小型燃料電池スタックの開発:菊池英明氏、加地勇人氏、西山隆之氏、小此木泰介氏(本田技術研究所)、原田仁氏(ホンダエンジニアリング)
・熱可塑性ガラス繊維強化樹脂を用いたバンパービームの開発:安原重人氏、彌武朋也氏、中根健氏、柏木正和氏、北條晃氏(本田技術研究所)
・ロービーム一体LEDアレイ式ADBヘッドランプの開発と商品化:杉本篤氏、諏訪聡男氏
藤吉貴智氏、井上貴司氏、河合宏樹氏(小糸製作所)
■技術教育賞
・広島県地場産業のエンジニア育成にあたり革新的かつ包括的な取り組みの継続:公益財団法人ひろしま産業振興機構カーテクノロジー革新センター