【DAKAR RALLY】ダカールラリー2012 総合優勝を果たしたのは誰だ?

ダカールラリー2012の画像

世界で最も過酷なアドベンチャーイベントとして知られている「ダカールラリー2012」が、2012年1月1日から15日まで開催され、MINIオール4レーシングで出場したS. ペテランセルがオート(4輪)部門で総合優勝を飾った。同選手はモト(2輪)部門でヤマハに乗って過去6勝した後、三菱パジェロでも3度の優勝に輝いており、今回で5年ぶり通算10度目の総合優勝となる快挙を達成した。ご存じのように1979年に始まったダカールラリーは、アフリカ大陸の治安悪化により、2009年からは南米大陸で開催されている。昨年まではアルゼンチンの首都ブエノス・アイレスをスタート&ゴールとするループ状のコースだったが、今年はワンウェイに変更。アルゼンチン南部のリゾート地マルデル・プラタをスタートし、チリを経てペルーの首都リマをゴールとするコースが採用された。このラリーにとってペルーは27番目の通過国になり、太平洋岸の地を走るのは今回が初めてとなった。

15日間(1月8日は休息日のため競技は14ステージで争われる)の総走行距離はオートで8377km。そのうち半分近い4161kmがスペシャルステージ(SS)となっている。コースにおける最大の難関がアンデス山脈と、アタカマ砂丘をはじめとする数多くの砂漠地帯であることに変わりはないが、今年は4部門合計で443台のうち246台がリマに到着。完走率は2年ぶりに50%超となったが、オート部門では161台のうち78台しかゴールにたどり着けなかった。

近年のダカールラリーではワークス勢が撤退傾向にあり、モト(2輪)部門ではホンダ/ヤマハ/スズキといった日本メーカーがすでに手を引いて、ワークスレベルでの参加はオーストリアに本拠を置くKTMを残すのみとなっている。オート部門でも2009年を最後に三菱が撤退したことは記憶に新しく、代わってレーシングトゥアレグで3連覇中のフォルクスワーゲンも今年は姿を消した。

しかしながらWRC(世界ラリー選手権)にも復活を表明しているMINIが、事実上のワークス体制で挑戦してきたのが今年最大のニュースだ。さらにオートの市販車無改造クラスにはランドクルーザーで6連勝中というトヨタ車体もTLC(チームランドクルーザー)として参戦を継続。カミオン部門では日野レンジャーを駆る70歳の菅原義正が息子の照仁とともに、自身の持つ記録を更新する30回連続出場を果たしている。

ペテランセルの画像
↑ペテランセル選手は三菱パジェロでも過去3勝している

1月15日、タフな15日間を終えて最初にゴールに到着したのはMINIに乗る46歳のフランス人、S. ペテランセル。第2ステージで首位に立ち、2度のパンクに見舞われた第3ステージで一度2位に落ちたものの、第4ステージ以降はリードを保ったままという余裕の走りで10度目の優勝を果たした。2位も同じくMINIのJ.ロマで、3位はハイラックスに乗るG.D.ヴィリエ。本サイト既報で、東洋ゴムのサポートを受けたハマーに乗るR.ゴードン(写真下左)は、SSで首位を奪う速さを見せたがトラブルにも見舞われ、5位でのフィニッシュとなった。

ハマーの画像ダカールラリー2012のランドクルーザーの画像

オートの無改造クラスで7連覇を狙っていたTLCのランドクルーザー勢だが、エースの三橋淳がドライブする1号車(写真上右)が序盤からクラス首位の座をキープ。ところが終盤の第13ステージで脱出に2時間以上も要するスタックを喫して万事休す。クラス2位(総合25位)という残念な結果に終わった。実はサポート役が期待された2号車が第4ステージのアクシデントでロールバーを損傷。これでリタイヤを余儀なくされたことも、今年の戦いを苦しいものにしてしまった要因だ。

日野レンジャーの画像
カミオン部門の排気量10リットル未満のクラスでは、日野レンジャーの2号車を駆る菅原照仁が3年連続となるクラス優勝を達成。古希を迎えた1号車の菅原義正もクラス3位で通算24回目となる完走を果たしている。またモト部門ではKTM勢同士が激しいバトルを展開。ともに3回の優勝経験を持つM.コマとの一騎打ちを制したC.デプレが、通算4度目の優勝に輝いた。

パリダカ日本事務局ウェブ

COTY
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