国土交通省と独立行政法人・自動車事故対策機構は、衝突が避けられない場合に自動でブレーキをかける技術などクルマの先進安全技術について新たに評価(JNCAP:新車安全評価試験)を開始し、2014年10月23日、その結果や動画を公表した。
評価試験は次のような項目だ。
■衝突被害軽減制動制御装置:試験車を10~60km/h で模擬車両(ターゲット)に後方から接近させ、被害軽減ブレーキの作動試験。試験は、ターゲットが止まった状態での試験と、20km/hで走行している場合の2種類。警報またはブレーキの作動により衝突を回避した場合、あるいは衝突した場合でも、衝突前にどの位速度が低下していたかに応じて得点が与えられる。
■車線逸脱警報装置:試験車を60km/h、または70km/hで走らせ、道路の白線からはみ出したときに、警報を発するか否かの試験。警報を開始した速度が低い方が高い得点が与えらる。
■総合評価:評価点は、日本の事故実態を踏まえて死亡・重傷事故を少なくできる効果に応じて与えられ、その合計が2点以上の場合には先進安全車(ASV)として認定。さらに12 点以上の場合は先進安全車プラス(ASV+)として認定される。
今回の評価では、スバルがレヴォーグ(アイサイトver3)、フォレスター、XVハイブリッド(この2車はアイサイトver2)の3車種、トヨタがレクサスLS、IS、NX、カムリ、ハリアー、日産はエクストレイル、スカイライン200GT、ノート、ホンダはオデッセイ、マツダはアクセラ、アテンザ、三菱はアウトランダーPHEVが「AVS+」と認定された。
また40点満点の最高評価は、レクサスLS、スバル・レヴォーグ、日産スカイラインの3車種が獲得している。レクサスLS、スカイラインなどはミリ波レーダーとカメラの組み合わせ、レヴォーグはステレオカメラのみを装備している。またこの3車もターゲットに対して自動ブレーキが作動して停止する際、ターゲットとの距離は各車で差がある点が興味深い。公式ページ内またはYoutubeにアップロードされている動画で確認していただきたい。
すでにユーロNCAPやアメリカでの評価試験でこうしたドライバー支援システムの公的機関による試験が行なわれているが、ついに日本でも緊急自動ブレーキ、レーンキープアシストなど先進ドライバー支援システムの評価が公的機関で実施されたことの意義は大きい。また今後は歩行者検知性能なども評価項目に加わると予想できる。
2014 JNCAP ASV 評価結果表
2014 JNCAP ASV評価 総合パンフレット