雑誌に載らない話vol97
2014年8月28日、J.D. パワー アジア・パシフィックは「2014年 日本自動車初期品質調査」の結果を発表した。今回で4回目となるこの調査は、新車購入後の車両の初期品質を測定する目的で2014年5月に行なったもの。購入後2~9ヶ月経過したユーザー1万5684人から回答を得たという。
調査対象の車両は全17ブランド、134モデルで、有効サンプル数が100サンプル以上のブランド、モデルをランキング対象としている。233の項目にわたってユーザーの不具合経験を聴取し、それらの項目は外装、走行性能、装備・操作系(ディスプレイ、オーディオ&コミュニケーション、エンターテインメント、ナビゲーション)、シート、空調、内装、エンジン&トランスミッションの8カテゴリーに分かれている。なお不具合の指摘は、修理を要する故障も含まれているが、全体的には不満点と理解した方がわかりやすい。
調査全体での不具合指摘のトップ3は、「カップホルダーが使いにくい」、「AT/CVTの変速中のもたつき、シフトタイミングが悪い」、「ナビゲーションシステムが分かりにくい、使いにくい、または場所がよくない」というものであった。


セグメントごとの不具合指摘では、軽自動車セグメントはエンジン&トランスミッションが上位10項目の合計件数のうち45%を占め、次いで内装(31%)、ナビ(8%)となっている。
コンパクト・セグメントでは内装が33%を占め、次いでエンジン&トランスミッション(31%)、シート(13%)、ナビ(11%)となっている。
ミッドサイズセグメントでは内装が54%を占め、次いでナビが39%を占める。ミニバンセグメントでは内装が45%を占め、次いでナビ(19%)、エンジン&トランスミッション(18%)、シート(7%)となっている。ラージセグメント(調査数が少ないためランク外)はナビが58%を占め、次いで内装(28%)、シート、エンジン&トランスミッション(各7%)となっている。
やはり軽自動車、コンパクトセグメントでは加速に関わるエンジン&トランスミッションに関する点や、カテゴリーを問わずナビシステムの操作性に不満が多い点は注目に値する。特に軽自動車、コンパクトセグメントは燃費性能を重視したクルマが多いため、結果的にエンジン&トランスミッション=加速性に関しての不満が多いことは理解できる。
今回ランキングが発表された4つの車両セグメント別モデルランキングは、不具合指摘が少ないモデルのランキングで、軽自動車セグメントではトヨタ・ピクシスエポック(実質はダイハツ・ミライース)が1位、ホンダ N-BOX、日産 デイズルークスが同率2位となっている。コンパクトセグメントはトヨタのラクティスが1位、アクアが2位、パッソが3位となった。


ミッドサイズセグメントはトヨタ SAIが1位、日産 リーフ、ホンダ・ヴェゼルがそれに続いている。ミニバンセグメントはトヨタ・アルファードが1位、トヨタ・ヴォクシー、マツダ・プレマシーがそれに続いている。
なおランキングの詳細はJ.D.パワー調査結果サイトを参照されたい。