【ヒョンデ】2026年初頭からグローバルで発売開始 FCEV「NEXO(ネッソ)」は何がすごい?

ヒョンデ・モーターは、「ジャパンモビリティショー 2025」に出展した新型燃料電池車(FCEV)「NEXO(ネッソ)を2026年初頭からグローバルで発売すると発表した。

今回発売される新型「NEXO」は2代目モデルになる。ヒョンデの市販燃料電池車の原点は2013年に発売された「ツーソン FCEV」から始まっている。グローバルで見て水素を燃料とする燃料電池車は2000年にフォードがフォーカスFCV,2002年にホンダがFCX,トヨタはFCHVを限定的にリース車として市場に送り出し、その他の自動車メーカーも少数の燃料電池車を限定的にリース車として世に出している。

ヒョンデは1998年にマーキュリーⅡというモデルで最初に燃料電池車を開発し、その後2004年ポラリス1というモデルに搭載。2013年ツーソンで量販の燃料電池車として発売し、そして2018年にNEXOを発売している。

つまりヒョンデは燃料電池車の本格生産のパイオニアということができる。「ツーソン FCEV」の販売台数は当初計画より販売台数が少なかったが、最量販モデルとして2018年に送り出されたのが初代「NEXO」だ。トヨタの初代「MIRAI」より1年前に発売されている。韓国国内では2025年6月から新型ネッソの発売を開始し11月までの時点で6000台の受注がある。そして韓国国内を含め、グローバルでヒョンデのFCEVは3万6000台も既販している実績がある。

そして今回登場した2代目となる燃料電池クロスオーバーSUV「NEXO」は、燃料電池車としての性能を大幅にアップデートしている。

最新の燃料電池技術とパワーエレクトロニクス

新型「NEXO」は、燃料電池(FC)、パワーエレクトロニクス(PE)システムの両面で大幅な進化を遂げ、FCEVとしてのパワートレイン技術は大幅に向上している

今回のモデルの核心となるのは、新たに開発されたPEシステムだ。バッテリー出力を従来の40kWから80kWへと倍増させ、同時に水素燃料電池スタックも効率を高めている。新型スタックは最大総出力110kW(前モデルは95kWで、従来比+16%)を実現し、システム全体の正味出力も94kW(従来モデルは85kWで従来比+11%)へと向上。これらの改良により、総合システム出力は135kWから190kWへと飛躍的にアップしている。

この出力向上により、新型モーターは150kWのパワーを発揮し、0ー100km/h加速は従来の9.2秒から7.8秒へ短縮。 力強くスムーズな加速性能と、余裕のある追い越し性能を実現している。

また、新型「NEXO」は、わずか5分の水素充填時間で最大航続距離826km(WLTP基準)を達成する性能を備えている。水素貯蔵システムも改良され、キャビンスペースを損なうことなく貯蔵量を6.33kgから6.69kgへ増加している。

さらに、低温環境下での始動性向上、耐久性の高い燃料電池スタックの膜構造、セル均一性の改善など、細部にわたる改良も施され、新たに導入した「ウェイクアップ」防凍機能などの最適化技術を採用。寒冷地での始動性など信頼性を向上させし、年間を通じた安定した走行性能を実現している。

新型「NEXO」は、空力性能を向上させるためアンダーボディ形状の最適化やボディ全体の気流の流れを改良し、空気抵抗を低減して効率を最大化している。

さらに、アクティブノイズコントロール・ロードと呼ばれるキャビン内の走行騒音抑制技術や、吸音性能を備えたタイヤの採用により、ノイズ、バイブレーション、ハーシュネスが一段と向上し静粛でなめらかな走りを実現。特に加速時や荒れた路面での走行時にその効果が体感できる。

先進モータートルク制御

そして、走行性能では、モーターのトルク制御によってグリップ力、安定性、操舵応答性を高める革新的な「e-ハンドリング」システムを搭載。路面状況に応じてモーター出力を動的に制御することで、精密なハンドリングと優れた走行安定性を両立させている。

また、新型「NEXO」には、スマート回生システムを搭載している。ドライバーの負担軽減とスムーズな走行を実現するための知能型回生ブレーキシステムである。ナビゲーションデータや前方車両との距離情報に基づいて回生ブレーキ量を自動調整し、さらに地図情報を活用してスピードカメラや減速帯などの道路要素も考慮するシステムになっている。

これにより、走行時の減速をシステムが自動制御し、ドライバーの介入を最小限に抑えながら、好みに応じて車間距離設定をカスタマイズできる。

さらに、ヨーロッパ仕様の新型「NEXO」には、注目すべき新機能として牽引(トーイング)性能が追加された。最大1000kgまでの牽引能力を実現し、このクラスで初めてこの機能を備えた燃料電池車(FCEV)となっている。

先進装備

また、新型「NEXO」は、ユーザーの利便性を高め燃料電池車(FCEV)の運転をよりシンプルにするための革新的な機能が数多く搭載されている。コラム式シフトレバーの採用により、センターコンソール周辺の空間効率を高め、収納スペースを拡大。

コネクテッドカーナビ・コックピットと呼ぶインスツルメントパネル2つの12.3インチ・カーブドディスプレイを統合し、ドライバー情報とインフォテインメント操作をシームレスに連携。OTA(無線通信)アップデートやワイヤレスApple CarPlay/Android Autoに対応するほか、生成AIによる音声認識機能を搭載している。さらに、最大14スピーカーを備えたバング&オルフセン製プレミアムオーディオシステムも搭載している。

ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、走行速度、自動運転情報、安全警告などの重要情報をフロントガラスに直接投影し、ドライバーの視線移動を最小限に抑制。また、高速スマートフォン充電、NFC対応Digital Key 2によるキーレスエントリー&スタート、および15W出力のUSB急速充電など、日常の利便性を高める機能も充実している。

さらにEVと同様に、V2L機能も搭載。車両の高電圧バッテリーを利用して、車内外の電子機器に電力を供給できる。この車外V2L機能は追加アダプターなしで直接プラグインが可能で、より柔軟な電力利用が可能だ。

視認性の向上のため、一部市場向けにはデジタルセンターミラー(DCM)およびデジタルサイドミラー(DSM)を採用。これらのシステムは、従来の光学式ミラーに比べて広い視野と優れた死角検知性能を提供し、暗所や悪天候時の視認性も向上。DCMにはリアカメラの視界を確保するクリーニングシステムを装備。DSMはブラインドビューモニター(BVM)と連携して、車線変更時の安全性をさらに向上させている。

その他の装備
ダッシュカメラ(Dash Cam):高画質な前方・後方の映像を音声付きで記録できるほか、駐車中の動体検知機能により、最長4日間の監視が可能なドライブレコーダー。

車内指紋認証システム:生体認証によるエンジン始動、電子決済、ドライバープロファイルのパーソナライズを実現し、操作の利便性を大幅に向上。

Digital Key 2システム:スマートフォンとのワイヤレス通信により、ドアの施錠・解錠やエンジン始動を可能にする機能で、Apple Watchなどのウェアラブルデバイスを含む最大15台までの端末を登録できる。また、NFCカードキーを用いたリモートコントロール機能や、ユーザーごとのパーソナライズ設定にも対応。

リヤオキュパントアラートシステム(Rear Occupant Alert System):後席に設置されたレーダーセンサーによって車内の動きを検知し、子どもなどの乗員が車内に残された場合には、警告音やビジュアルアラートでドライバーに通知。

ボディ

新型「NEXO」のボディは、国際的な安全評価で最高水準の獲得を目標に開発され、堅牢なマルチスケルトン構造、最大9個のエアバッグ、最新の運転支援システムにより、乗員と水素タンクを含む高い保護性能を実現している。

ボディ骨格はホットスタンプ技術や第3世代超高張力鋼板の採用、衝突荷重経路やマルチロードパス構造の最適化により、車体剛性と衝突安全性能を大幅に強化し、あらゆる走行シーンで高い安心感を提供している。

エクステリア

新型「NEXO」は、ヒョンデが新たに掲げる「Art of Steel(アート・オブ・スチール)」デザイン言語を採用。スチール(鉄)の持つ強靭さと多様性を造形美として表現している。このデザイン哲学は、剛性と芸術性を融合させ、緊張感と耐久性を兼ね備えながらも、素材としてのスチールの美しさを際立たせるアプローチである。

エクステリアは、力強さと洗練を両立する造形で、大胆なラインと堅固な構造が、タフでありながら上質な印象を生み出している。アーチ形状の断面構造が耐久性を高め、ドアパネルに施された水平のグルーブ・パターンが、車体の力強いキャラクターを際立たせている。この緻密に設計されたデザインは、都会的なライフスタイルにもアウトドアユースにも自然に溶け込むことができる。

そしてエクステリアを印象づけるのは、FCEV専用デザイン要素として設計された独自の「HTWO」ランプだ。このランプは、力強さと優雅さを融合した造形を特徴とし、ヒョンデの水素ブランド「HTWO」およびその理念である「Hydrogen for Humanity(人類のための水素)」を象徴している。また、4ドットランプが夜間でもひと目でヒョンデであることを識別できるアイデンティティを強調している。

インテリア

インテリアは、乗員に広々とした快適で利便性の高い空間を実現している。柔らかく上質なパッド素材を用いたインテリアは、リビングルームのような温かみを感じさせるパターンで仕上げられ、実用性とモダンなハイテクデザインを融合。ドライバー中心のカーブドディスプレイ、直感的に操作できるスイッチ配置、そして十分な収納を備えたアイランド型センターコンソールが、洗練された室内空間を形成している。

また、デジタルサイドミラーディスプレイをダッシュボードと一体化することで、開放感と機能性を高め、「家具のように快適な空間」というコンセプトを体現している。

ボディサイズの拡大により、従来モデルと比べて全長、全幅、全高がサイズアップし、乗員の快適性と荷室の積載性が大幅に改善。リヤの最大収納容量は993Lに達し、ゴルフバッグを最大4個収納可能な広さを確保。さらに、ラゲッジルームは新プラットフォームにより、ユーザーはアクセサリーや用途に合わせて収納スペースを自在にアレンジでき、さまざまなライフスタイルに対応している。

快適性をさらに高めるため、フロントシートにはプレミアムリラクゼーションシートを採用。また、ヘッドルームやショルダールームの拡大によって居住性が向上。後席ドアの開口角度も拡大し、乗降性が向上している。キャビン全体には、センターコンソール、ダッシュボード、ドアトリムなどにスマート収納スペースを多数配置。速度制限警告と連動するアンビエントムードライトが上質な雰囲気を演出し、ガラスルーフが開放感をもたらしている。

ヒョンデ 関連記事
ヒョンデ モビリティ ジャパン 公式サイト

ページのトップに戻る