トヨタ「RAV4 PHV」本命登場 総合出力306ps EV航続距離95km

トヨタは2020年6月8日、ミドルクラスのSUV「RAV4」に新たにプラグインハイブリッド モデル「RAV4 PHV」の発売を開始しました。この「RAV4 PHV」は電力容量18.1kWhのリチウムイオン バッテリーを搭載し、95kmのEV走行ができます。

RAV4 PHV BLACK TONE

新開発のプラグインハイブリッド

RAV4 PHVに搭載されているPHVシステムは、新開発された「THS Ⅱ Plug-in」を採用。既存のRAV4ハイブリッドよりフロントモーターとインバーターを高出力化し、18.1kWhという大容量の高出力リチウムイオン バッテリーと組み合わせることで、システム最高出力は306psに達しています。

搭載するエンジンは、2.5Lの「A25A-FXS型」アトキンソンサイクル エンジンで、標準のRAV4ハイブリッドとはチューニングが異なり、出力も177ps/219Nm(RAV4ハイブリッドは178ps/221Nm)とわずかに低められ、より低速型に変更されています。

新開発された「THS Ⅱ Plug-in」のレイアウト。リヤモーターも装備したE-Fourを採用

フロントモーターは5NM型を採用し、より高出力型になりました。ハイブリッドモデルのモーター出力120ps/202Nmと比較し、182ps/270Nmへと向上しています。リヤモーターは54ps/121Nmでハイブリッドモデルと共通ながら、バッテリーの出力が大きいため、より長時間出力が発揮できるようになっています。

走行モード切り替えスイッチ

RAV4 PHVはシステム総合出力306psというハイパワーにより、スポーティで力強い走行が実現し、さらにEVモードでの航続距離はクラストップレベルの95kmを実現しています。0-100km/h加速タイムは6.0秒で、従来のRAV4ハイブリッドより、車両重量は230kg重い1900kgとなっていますが、想像以上の加速力を発揮しています。

RAV4 PHVは急速充電はなく、200V普通充電のみに対応

またガソリンタンク容量は55Lで、ハイブリッド走行での航続距離は1300km以上となっています。そのため、プリウスPHVで採用されていた急速充電には対応せず、普通充電方式のみが搭載されています。

トヨタの従来のプラウスPHVは、バッテリー容量が8.8kWh、EV航続距離68km、システム総合出力は122psでしたから、今回のRAV4 PHVは出力、EV走行距離ともに大幅にアップしており、同クラスの競合車を上回るレベルを実現しています。

床下にバッテリーを搭載

RAV4 PHVはTNGA-Kプラットフォームを採用していますが、従来のプリウスPHVとは違ってリチウムイオン バッテリーを車両中央のフロア下に搭載しており、低重心、前後荷重配分の面でより有利になっています。

また床下にバッテリーを積載することで、リヤのラゲッジスペースは標準モデルと同等になっています。

490Lのラゲッジ容量を確保

そして床下のバッテリーを保護するために強固な補強が行なわれ、合わせてフロントクロスメンバーなども強化されています。その結果、ボディ全体の強度、剛性ともにベースモデルのRAV4よりアップしています。

またサスペンションも増大した車両重量に合わせて専用チューニングされ、ダンパーの摩擦特性や減衰力特性を最適化。その結果コーナリング時の優れた操縦安定性や、重厚感のあるしなやかな乗り心地を実現しています。

フロント サスペンション
リヤ サスペンション

同時に、モーター主体の走りが多用されるため、ボディへの入念なノイズ対策を実施しており、吸遮音材の最適配置のほか、ダッシュパネルやフロアの吸音材範囲を拡大。さらに接合部の隙間も細部まで埋めることで、車内への音の侵入を抑制しています。さらにガラスは高遮音性ガラスを採用し、風切り音も低減するなど静粛性能を向上させています。

バッテリーの温度管理は、プリウスPHVはキャビン内の空気を利用した通風冷却式でしたが、RAV4 PHVはエアコン冷媒の活用により、リチウムイオンバッテリーを積極的に冷却するなど温度管理性能を向上させています。

そのエアコンはヒートポンプシステムで、ヒートポンプが外気の熱を使ってエンジン冷却水を温め、車内を暖房できるため、エンジンが停止しているEV走行でも暖房機能を維持することができます。

大容量バッテリーの利用

RAV4 PHVは大容量バッテリーを搭載するPHVならではの機能を装備しています。停電や災害時などの緊急時やアウトドアに役立つ、最大1500W(AC100V)の外部給電機能を標準装備しています。

ラゲッジルーム内に設置されたアクセサリーコンセントに加え、付属のビークルパワーコネクターを車両後方右側の普通充電インレットに差し込むことで、外部給電用のコンセントとして利用することができます。

外部給電用のビークルパワーコネクター

給電モードは、使用目的に合わせ、EV給電モードとHV給電モードの2種類の外部給電モードが設定されています。EV給電モードはバッテリーだけを使って給電し、ハイブリッド給電ではバッテリー残量が所定値を下回るとエンジンが起動し、ガソリンがなくなるまでエンドレスで給電が継続します。ガソリン満タン状態であれば、3日間程度の電力を供給することができます。

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