トヨタは2023年1月10日、昨年11月に発表した新型プリウスの正式発売を開始した。なおPHEVモデルは3月頃に発売する計画としている。
新型プリウスが発表されると、従来とはまったく異なるコンセプトの意外性で大きな反響を巻き起こした。「Hybrid Reborn(ハイブリッド車の再生)」を開発コンセプトとし、スポーツ・クーペのようなデザインと走る性能を重視したエモーショナルなスポーティ・モデルで、昔風の表現ではスペシャリティカーとなったのだ。
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従来の低燃費性能と、革新性を持つ5座席のCセグメント・ファミリーカーからは大きな方向転換となっている。
そして基本ラインアップは、より動力性能を高めた2.0Lモデルと従来からの1.8Lモデルの2本立てで、いずれもノア/ヴォクシーから採用されている第5世代のシリーズ・パラレル・ハイブリッドを組み合わせている。トヨタは、クラウン、レクサスRXで1モーターのパラレル式ハイブリッドを投入しており、従来からのトヨタ・ハイブリッド・システム(THS)の総称から、より一般的なシリーズ・パラレル・ハイブリッドに呼称変更しているのも注目ポイントである。
最新のダイナミックフォース・エンジンであるM20A-FXS型2.0Lモデル(Zグレード、Gグレード)は、従来型を上回る低燃費(28.6km/L:従来の1.8LHEV/17インチタイヤ・モデルの27.2km/Lとの比較)としつつ、システム最高出力は従来型比1.6倍となる144kW(196ps)を発生。胸のすくような加速感やレスポンスの良さをアピールしている。
1.8Lモデル(Uグレード、Xグレード)は、従来エンジンを改良して継承し電動モジュールを第5世代に刷新したことで、32.6km/L(17インチ・モデル)の低燃費を実現。なおUグレードは「KINTO Unlimited」専用グレードとなっている。
従来型プリウスはTNGA-Cプラットフォーム採用の第1号モデルであったが、新型プリウスはよりアップグレードされた第2世代TNGA-Cを採用。低重心化させ、大径タイヤ・細幅タイヤを装着している。
また、リヤ・モーター式4WDモデルのE-Fourを設定。リヤの駆動モーターはより高出力化され、低μ路での登坂性能や旋回時の安定性が向上している。
新型プリウスは、かつでのハイブリッド=低燃費の頂点というブランドから、スポーティさ、エモーショナルさなどに感度の高い人々のための純パーソナルカーの新たなブランドに変貌を遂げた。
そしてヨーロッパ市場ではPHEVモデルのみの販売となり、アメリカ市場では2.0L・ハイブリッドのみの販売となるなど、グローバル市場における位置付けにも変化が見られる。
また日本市場では、Uグレードはサブスクリプション・サービスのKINTOのみで「KINTO Unlimited」として取り扱いを開始した。「KINTO Unlimited」は、通常のサブスクリプションに加え、ソフトウエア・アップグレード、ドライバーの運転データの取得による見守りサービスが付加される。
なお、Z、Gグレードは、KINTOのこれまでのサブスクリプションサービスで利用することができる。