トヨタは2021年6月10日、中東地域を中心にオンラインで2022年型となる新型ランドクルーザー(J300型)のワールドプレミアを行ないました。
ランドクルーザーは世界170の国、地域で年間30万台以上が販売されていますが、中東地域はランドクルーザーにとって最大のマーケットのため、特に中東地域にフューチャーした異例のワールドプレミアとなっています。
2021年はランドクルーザー誕生70周年となり、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という基本コンセプトを守り、長年にわたる本格的クロスカントリー4WDとしての技術を積み重ね、最新技術も融合させた新型ランドクルーザーとして登場しました。2021年の夏以降に世界各地で発売予定となっています。
今回フルモデルチェンジした新型ランドクルーザー(J300シリーズ)は、2007年に登場したJ200シリーズの後継となるステーションワゴン・タイプの本格オーフロード&ワゴンタイプの4WDで、これまでもランドクルーザー・シリーズのフラッグシップとして最新技術を導入してきたシリーズです。
新型ランドクルーザー開発の狙いは、ランドクルーザーの本質である「信頼性・耐久性・悪路走破性」は、進化させつつ継承し、世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現するというものでした。
こうした狙いを前提に、ランドクルーザーの本質を守る基盤であるフレーム構造を踏襲しつつ、TNGAに基づく新GA-Fプラットフォームを採用。さらに軽量化、低重心化、新パワートレーンの採用、内外装デザインのブラッシュアップを図っています。
新開発されたGA-Fプラットフォーム(ホイールベースは従来と同等)を活かし、軽量・高剛性化を図り、フレーム、車体など車両全体で約200kgの軽量化を実現。さらに低重心化、前後重量配分の改善、サスペンション構造の改善などを実施しています。
こうして得られた素性の良さをベースに、社内の熟練テストドライバーやダカールラリー出場ドライバーをはじめとする評価メンバーによる実路走行での作り込み行ない、オンロード、オフロードの双方で運転しやすく、疲れにくいクルマを目指しています。
特に、大ストローク時のタイヤの浮き上がり現象の抑制や、世界初となるE-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System:電子制御サスペンション軌跡制御)の採用、ドライバー視点で障害物を直感的に可視化できるマルチテレインモニターの採用、走行路面を判定し、自動でモード選択するマルチテレインセレクトの採用など、新しい技術を投入しています。
パワートレーンは、従来のV8エンジンに代えて、新開発のV6ツインターボエンジン(3.5Lガソリンと3.3Lディーゼル)を採用し、従来型のV8エンジンを超えるクラストップレベルの動力性能とドライバビリティを実現しています。
また、環境性能についても、新開発のダイレクトシフト10AT(10速オートマチックトランスミッション)の採用とボディの軽量化により、従来型との比較で、車両使用時の年間CO2排出量を、グローバルの全台数分で約10%低減できる見込みとなっています。
エクステリアデザインは、ランドクルーザーのヘリテージを継承し、オフロード走行時のダメージを受けにくいランプ位置やバンパー形状などにより機能美を追求。またインテリアは、悪路状況でもクルマの姿勢を捉えやすい水平基調のインストルメントパネルを採用するとともに直感操作ができるスイッチ類を機能ごとにレイアウト。形状や色など操作性を考慮したデザインとすることで扱いやすさを向上しています。
パッケージについては、悪路走破性を重視し、全長、全幅、ホイールベースなどの車両サイズと、ディパーチャーアングル・アプローチアングルは従来型を踏襲しています。
先進安全性能は、最新の予防安全パッケージ「トヨタ セーフティセンス」を採用。歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼)を検知し、衝突回避または被害軽減に寄与するプリクラッシュセーフティに加え、交差点での対向直進車や右左折時に前方から来る横断歩行者検知機能、ドライバーによる回避操舵をきっかけに、操舵と車線逸脱抑制をサポートする緊急時操舵回避支援機能を追加しています。
さらに、駐車場での前後障害物や後退時の接近車両、歩行者を認識し事故防止に寄与するパーキングサポートブレーキを新たに採用しています。