トヨタは2025年10月21日、ランドクルーザー・シリーズのエントリーモデルとなる「ランドクルーザー FJ」を世界初公開した。日本での発売は2026年年夏頃が予定されている。

現在、トヨタはクロスカントリー・モデルのランドクルーザー・ブランド名のもとでシリーズ化を図っており、フラッグシップ・モデルとして「300」、従来のランドクルーザー・プラドの後継モデルとなった「250」、そして業務用に用途を絞り込んだヘビーデューティ・モデル「70」を展開している。
そして今回、新たに登場するのがエントリー・モデルとなる「FJ」であり、既存モデルより低価格で、より量産性の高いモデルだ。
「FJ」のペースになっているのは、新興国向けのピックアップトラック/バンの「ハイラックス・チャンプ」だ。「ハイラックス・チャンプ」は2023年にタイで発売され、インドネシア、フィリピンなど東南アジア、南アフリカ、ペルーなどの諸国で販売されており、タイのサムロン工場、バンポー工場、フィリピン工場、インドネシア工場などで生産されている。

プラットフォームは、ラダーフレームの「IMV」プラットフォームだ。ちなみに「IMV」の意味は、イノベーティブ・インターナショナル・マルチパーパスビークルの略。「IMV」を採用しているのは、ハイラックス、ハイラックス・チャンプ、フォーチュナー、イノーバで、日本に導入されたのはハイラックスのみだが、これも2024年秋に導入停止になっている。
「IMV」のホイールベースは3085mmのロング、2750mmのミディアム、ショートとして2580mmをラインアップしているが、今回の「FJ」はショートを採用している。

「FJ」のボディサイズは全長4575mm、全幅1855mm、全高1960mm、ホイールベース2580mmというC/Dセグメントサイズだ。ラインアップされている「250」がD+セグメントであり、「FJ」は一回りコンパクトでありながら全高はより高くなっている。またホイールベースは「250」が2850mmで、「FJ」は270mmショートのホイールベースとなっている。
このため、最小回転半径は5.5mとなり、「250」の6.0mと比べて大幅に取り回し性を向上させている。また、車両重量は未発表だが、「250」より約200kg軽量になっているという。
新型「FJ」は、歴代ランドクルーザーが重視してきた居住性と積載性を考慮したスクエアなシルエットを踏襲。サイコロをモチーフとした直方体ボディと、角をそぎ落とした面取り構成で、無駄のない強い塊感と形の楽しさを表現している。


フロント、リヤは、シンプルなボディに力強いバンパーを採用し、大きく張り出したフェンダーの組み合わせでタフさを表現している。そして、フロント、リヤともにコーナーバンパーを取り外しできる分割タイプとすることで、壊れた部分のみ交換可能とし修理性を向上させるとともに、より個性的にランクルを楽しめるカスタマイズへの対応にも配慮している。

インテリアは、車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネル配置とし、視点移動が少なくなるよう機能をそれぞれ集約したモニター、スイッチ類、自然な操作ができるシフトノブなど、様々な環境で運転しやすさ、機能性を追求したデザインだ。

そしてプリクラッシュセーフティなどの先進機能を付与した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を採用している。
搭載するエンジンは、「2TR-FE型」直列4気筒2.7Lのガソリンエンジンを縦置きに配置している。最高出力は120kW(163ps)、最大トルクは246Nmで「250」と同仕様のエンジンとなっている。
駆動システムは、パートタイム式4WDシステム。H2、H4、L4の2WD、4WD切り替え機構を備え、リヤデフロック機能も装備している。トランスミッションは6速ATのみ。
サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式、リヤはトレーリングリンク支持のリジッド・アクスルだ。

そしてこの「FJ」は、カスタマイズ仕様の発売も想定されており、海外仕様のカスタマイズ・プロトタイプも発表されている。フロントマスク、リヤ・ドアのデザインなどが標準モデルから変更されている。

なお、この新型ランドクルーザー「FJ」は、ジャパンモビリティショー 2025のトヨタブースに展示されることになっている。














