トヨタ クラウンシリーズ第3弾「クラウンセダン」を発売。ショーファーでFCEVがメインか?

トヨタは2023年11月2日、新型クラウン・シリーズの第3弾となる「クラウン セダン」を発表し、11月3日から発売した。

新型クラウンは2022年7月に発表されたクラウン クロスオーバーを皮切りに、2023年10月にはクラウン スポーツを追加。今回のセダンで第3弾となる。そしてさらに2024年にはクラウン エステートが追加される予定だ。

■ シリーズ概要
新型クラウン・シリーズは従来のクラウンとは違ってグローバル・モデルにポジショニングが変更され、クラウン クロスオーバーはアメリカ市場ではアヴァロンの後継モデルとして発売されている。また中国ではクラウン スポーツクロスの車名で発売。それ以外に、台湾、韓国、中東地域でも販売されている。

今回の発売されたセダンは、ロング・ホイールベース、ロング・ボディが特長で、メイン市場は中国であり、2022年の広州モーターショーでプロトタイプが発表されている。

新型セダンは、クロスオーバー、スポーツとは異なり、プラットフォームは「TNGA-L」、つまり縦置きエンジンのFRプラットフォームを採用している。言い換えれば先代クラウンのプラットフォームを継承し、ホイールベース、全長、全幅などをサイズアップさせたモデルというわけだ。また、TNGA-Lの継承に合わせ、サスペンションも先代と同じで、フロントはダブルピボット式ダブルウイッシュボーン、リヤはマルチリンク式となっている。

ボディサイズは、全長5030mm、全幅1890mm、全高1475mm、ホイールベース3000mmで、メルセデス・ベンツ Sクラスなどと同等のEセグメントサイズに相当する。ただし、リヤ操舵システムを装備していないため、最小回転半径はハイブリッド・モデルで5.7m、FCEVモデルでは5.9mと大きめだ。

そのためもあってこの新型セダンは、快適な乗り心地と上質な走りとともに、ショーファーニーズ(専属運転手付き)を前提としたくつろぎの空間を目指す正統派セダンとされている。

その一方で、従来のFCEVの「MIARAI」と同じ水素燃料電池のパワートレインを搭載するFCEVモデルの設定もしており、日本市場ではFCEVがセダンのメインと想定される。ちなみに、クラウンセダンはMIRAIと共通のプラットフォームであるため設定できているのだ。

■ デザイン
開発にあたって、「オーソドックスなセダンはつくりたくない」という方針のもとでニューフォーマルセダンという新たな価値感に挑戦。FRプラットフォームを生かした水平基調の伸びやかなプロポーションとしている。

フロントは、鋭さとワイド感を強調するトヨタの最新デザインテーマである「ハンマーヘッド」を採用し、縦基調のパターンを施した大型台形グリルの「アンダープライオリティ」の組み合わせとすることでフラッグシップとしての存在感を強調。リヤには、ワイド感を強調した横一文字のテールランプを採用している。

ボディ色は、フォーマルユースからパーソナルユースまで、全6色を設定。ホワイト、シルバー、ブラックはフォーマルな印象とし、メタルやグレー、ブロンズはパーソナルユース向けとしている。インテリアは2色で、上質なブラックと華やかな空気感を演出するミッドブラウンを設定。

インテリアは、大型の木目調パネルを採用しているのは従来からのクラウンの伝統だ。インストルメントパネルから左右のドアに連続する流れとし、コンソールが浮き出て見えるようにすることで、落ち着きがありながら、広がりのある室内空間としている。

また、Eセグメントのセダンで常識となっているアンビエント・ライト、つまりインストルメントパネル左右や前席足元、リヤ・ドアトリム左右には全64色に色替え対応可能なLED照明を配置。間接光により室内の雰囲気を演出している。

ボディ色は、フォーマルユースからパーソナルユースまで、大人の感性に応える全6色を設定。ホワイト、シルバー、ブラックは、よりフォーマルな印象に。そしてメタルやグレー、ブロンズはパーソナルユースの印象を与える。インテリアは2色で、上質なブラックと華やかな空気感を演出するミッドブラウンを用意している。

専属運転手付きのクルマとしての配慮では、ロング・ホイールベースのメリットを活かし、後席の足元のスペースを広くし、乗り降りもしやすくしている。

■ パワートレイン
パワートレインはMIRAI譲りのFCEVとハイブリッドの2種類を設定。FCEVは、MIRAIと同じFCシステムで、3本の高圧水素タンクと燃料電池を搭載し、1回あたり約3分の水素充填で約820km走行可能となっている。

アクセルを踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、スムーズに伸びるFCEVならではのパワーと、モーター駆動ならではの静粛性や乗り心地を実現している。特にこのセダンでは静粛性の向上を追求している。

3本の高圧タンク配置もMIRAIと同様で、700気圧の水素の容量は合計で141L。燃料電池で発電された電力で駆動されるモーターは182ps/300Nmを発生する。

ハイブリッド・モデルは、2.5L・4気筒のA25A-FXS型を縦置きに搭載。このアトキンソンサイクル・エンジンは185ps/225Nmを発生する。そしてハイブリッドの駆動モーターは180ps/300Nmを発生する。FRタイプのハイブリッド・トランスミッションは発電用と駆動用のモーターを内蔵し、さらに遊星ギヤ式変速を組み合わせたマルチステージハイブリッド・システムとしている。

高速走行時はエンジン回転数を低く抑え、低燃費で静かな走りを可能にし、排気量をダウンサイジングしながら、力強い動力性能と燃費性能を両立させている。

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