トヨタ、無人でレンタカーの貸し出しも可能になる?!スキームの構築

トヨタ自動車は、カーシェア等のモビリティサービスの普及を踏まえ、既存のトヨタスマートセンター、トヨタビッグデータセンター、金融・決済センターの上位に、モビリティサービスに必要とされる様々な機能を備えた、モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)の構築を推進する。

MSPFは、トヨタがこれまでライドシェアなどのモビリティサービス事業者と提携する際、開発、提供している車両管理システムやリースプログラムといった個別の機能を包括したプラットフォームを利用している。

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トヨタは今後、このMSPFをカーシェアやライドシェアといったモビリティサービスのほか、テレマティクス、保険など、様々なサービス事業者との連携に活用していく。

トヨタの専務役員で「コネクティッドカンパニー」プレジデントの友山茂樹氏は「トヨタは、モビリティサービス・プラットフォーマーとして、あらゆる企業、サービスとオープンに連携し、より便利で安心な移動をお客様に提供すべく、新たなモビリティ社会の創造へ貢献していきたい」と述べた。

また、今回トヨタはMSPFの一機能として、カーシェアにおいて安全かつ安心なドアロックの開閉やエンジン始動を実現する為のデバイス、スマートキーボックス(SKB)を開発。

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この実証プログラムを、米国で個人間カーシェアビジネスを手がけるベンチャー企業「Getaround」社と共同で、カリフォルニア州サンフランシスコを皮切りに、2017年1月より開始する。

実証プログラムで活用するMSPF内の機能の開発、運営は米国におけるトヨタのコネクティッド領域の研究開発会社、Toyota Connected, Inc.が行なう予定だ。また、今回の協業に際し、2016年10月には未来創生ファンド(スパークス・グループ、トヨタ自動車、三井住友銀行が2015年に設立した、未来社会に向けたイノベーションの加速を目的とするファンド)からGetaround社へ戦略的出資を実施している。

従来、カーシェアの利用に不可欠なクルマの鍵の受け渡しにおいては、利用者と車両の所有者がコンソールボックス内に鍵を置くなどして受け渡しを行なうか、特殊な通信装置を車両のCAN(Controller Area Network:車両情報を伝送するネットワーク規格)通信に直接接続することで鍵の開閉などを行なっていた。そのため、セキュリティ面での課題があった。

今回開発したSKB(スマートキーボックス)は、車両を改造することなく、所有者が端末を車内に設置するだけで、利用者は自身のスマートフォンで鍵の開閉、エンジン始動ができるようになり、安心かつ安全に車両の貸し借りを行なうことが可能となる。

具体的には、スマートフォン上のアプリを操作し、トヨタスマートセンターからSKB端末にアクセスするための暗号キーを受信。利用者がそのスマートフォンを車両に近づけると、SKB端末との間で暗号キーが認証され、通常のスマートキーと同様に鍵の開閉などの操作を行なうことができる。操作可能な時刻や期間は、利用者の予約内容に応じてセンターで設定・管理される。

今回のGetaround社との実証プログラムの中では、SKBのカーシェアにおける効果、利便性の検証を行なうほか、トヨタファイナンシャルサービスとも連携し、車両所有者による車両リース代金の支払いにカーシェア収入を充てる新たな金融商品の開発も行なう。

これにより、カーシェア対応車両が一層増加し、利用者の利便性向上と新たな顧客層の創出を目指していく。

今後トヨタは、MSPFの幅広い活用を推進していく予定であり、日本国内おいては、レンタカーの無人貸出しサービスなどへの活用も、今回のSKBの実証結果を踏まえ、検討していく予定だ。

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スマートキーボックス(SKB)。専用アプリをインストールし、トヨタスマートセンターからSKB端末にアクセスするための暗号キーを受信したスマートフォンを車両に近づけると、通常のスマートキーと同様に鍵の開閉などが行える。
スマートキーボックス(SKB)。専用アプリをインストールし、トヨタスマートセンターからSKB端末にアクセスするための暗号キーを受信したスマートフォンを車両に近づけると、通常のスマートキーと同様に鍵の開閉などが行える。

http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/10140379/

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